デジカメの記憶装置は「microSDカード」にする予定だ。写真管理サービスにアップロードした写真は基本的にはデジカメ側にも残す。自動アップロードの仕組みを取り入れたことで,メモリカードが一杯になった時に,自動で過去に撮影した写真を消す機能を加えることも検討している。

ブラウザ上で写真の加工を可能に

 写真管理サービスは,まずは自社で立ち上げるWebサーバーで提供する。デジカメの購入者は無料でサービスを使える。ユーザー一人当たりの保存容量は数Gバイトで,数千枚の写真を保存できるようにするという。

UIにも工夫
試作中のデジカメのユーザー・インタフェース。多くのサムネイル画像をスムーズに動かし,一覧できるよう工夫している
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 ネット閲覧ソフト(ブラウザー)上でサイズ変更や,切り抜き,モノクロ変換,コントラスト変換など写真の加工・編集ができる仕組みを提供する。加工した写真は,写真共有サイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス),ブログ,写真プリントなど他社のネット・サービスに簡単な操作で転送できる。

 「ネット・サービスのAPI公開が進んでおり,以前よりサービス連携がしやすくなっている。対応サービスはどんどん増やしていきたい」(岩佐社長)

 内蔵する撮像素子の画素数は500万画素ほどになる予定で,2009年夏の発売を目指す。同年1月には,ザインエレクトロニクスやチップワンストップが共同運営するファンド,ネット通販関連サービスのECナビなどから1億2000万円の第3者割当増資を受けた。

 5年弱勤めた国内大手家電メーカーを辞し,「Consumer Electronics(家電)」を「Revolution(革新)」するという思いで,会社を「Cerevo」と名付けた。ネット・ユーザーの振る舞いを見据えた「大手メーカーでは実現しにくい機能」(同社長)を軸に,ネット家電市場に挑戦する準備は最終段階に入ろうとしている。