東レは2009年3月25日,「地球環境に軸足を置いた東レの新成長戦略」(以下,新成長戦略)を明らかにした。これまでも同社は,航空機などを軽量化して燃費を向上させる炭素繊維や,太陽電池材料,非食料由来バイオポリマといった25分野の環境配慮型製品事業を重視する「エコチャレンジ」活動を進めてきた。新成長戦略はこれらの事業に対して,売上高など具体的な数値目標を設定し,今後の東レの成長で中心的な役割を担わせることを鮮明にした形だ。

 25分野の環境配慮型製品事業の売上高は,2008年3月期には全体の13%に当たる2000億円強だが,2012年度前後にはほぼ2倍の4000億円強にする計画。この目標を達成すると,二酸化炭素の排出削減効果は現状の20倍に当たる2億t/年以上に達するという。さらに長期的には,2020年度前後に同事業の売上高を全体の40%に相当する1兆円規模まで引き上げる方針だ。

 東レは,新戦略を確実に推進するため,近く社長直轄の「地球環境戦略推進室」を設置する。