代表理事の三浦氏
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OESFが対象とする業種や機器
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現在の会員企業
現在の会員企業
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 米Google Inc.が開発した携帯機器向けのソフトウエア・プラットフォーム「Android」の組込み機器への普及促進を図る社団法人が,2009年3月24日,本格的に活動を開始した。法人名は「Open Embedded Software Foundation(OESF)」。2009年2月12日に発足し,アイ・ピー・ビジョン取締役の三浦雅孝氏が代表理事を務める。

 OESFが会員の対象とするのは,Androidをベースにした組込み機器を開発する企業。こうした企業が集って,技術情報を共有したり,システムを共同開発したりすることで,市場の発展と会員企業の事業の拡大を目指す。代表理事の三浦氏は,「オープンソースのAndroidは,組込み機器の開発コストを大幅に削減するとともに,新たなビジネス・チャンスを機器メーカーにもたらす。ただし,2300万行ものソース・コードを持つこのソフトウエアを1社でポーティングしたり,メンテナンスしたりするのは大変な作業。OESFに参加することで,技術情報を他社と共有したり,共同開発することで,開発効率を大幅に向上できる」とする。

 OESFの会員各社が今後開発するのは,新規のドライバー・ソフトウエアやライブラリ,各業種向けのフレームワーク,アプリケーションなどである。具体的には,「VoIP Framework」「Network&Security Framework」「計測/制御Framework」「STB Framework」などのワーキング・グループを設立し,各グループ内で共同開発を進めていく。OESFでは,会費の一部を開発の原資として配分する。

 会員数は現在23社,2009年内に100社程度の加盟を予想している。「現在はSTB(セットトップボックス)関連メーカーが多い。カーナビ・メーカーも参加している」(三浦氏)。OESFは,日本以外で組込み機器市場が大きい台湾,韓国などでも活動する。2009年3月24日に台湾に事務所を設立。同6月には,韓国にも事務所を設立する。

 Google社はOESFの設立に対して,「OESFの主旨に全面的に賛同する。当社は携帯電話機市場に集中しているので,OESFの活動に期待している。Open Handset Alliance(OHA)のプロジェクトと連携し,OHAと重複がない開発を促進してほしい」とコメントしている。