米Massachusettsu Institute of Technology(MIT)は,グラフェンを用いた周波数逓倍器を開発したと発表した。非常に小型で効率が高く出力信号に雑音が少ないため,通信のデータ伝送速度の高速化につながるという。「製造プロセスに既存の半導体プロセスが流用できるため,あと1年,遅くても2年以内に実用化できる」(この素子を開発した,MIT,Department of Electrical Engineering and Computer Science,assistant professorのTomas Palacios氏)。

 グラフェンは,黒鉛(グラファイト)から,炭素原子が2次元的につながったシート1層分を切り離したもの。今回はこのグラフェンで,入力した信号の周波数を2倍にして出力する周波数逓倍器を開発した。同素子の構造の詳細は「Electron Device Letters」誌の5月号で紹介するというが,トランジスタを1個しか使っていないとする。