Zeebo Console。発売当初は199米ドルだが,2009年末には179米ドル,2010年中に149米ドルを切る価格を見込む。
Zeebo Console。発売当初は199米ドルだが,2009年末には179米ドル,2010年中に149米ドルを切る価格を見込む。
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ゲームの選択画面。ダウンロード済みのゲームを表示している。ゲーム・タイトルの大きさは50Mバイト程度。
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ゲームの購入画面。Z-Creditsと呼ぶ仮想通貨を介して購入する。
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 米Qualcomm Inc.と米Zeebo,Inc.は2009年3月23日,新興市場向けのゲーム機「Zeebo Console」を発表した。特徴は199米ドルと安価であることに加え,携帯電話網を利用したアプリケーション・ソフトウエアの配信に特化していること。まずブラジルで2009年4月に発売し,その後インドや東欧,中国にも展開する計画である。Qualcomm社はZeebo社に出資している。

 ブラジルなどでは,海賊版のゲーム機やソフトウエアが横行している。これは「ゲーム機そのものやソフトウエアが高価で,新興市場の実情にそぐわない」(Zeebo社CEOのJohn Rizzo氏)ため。こうした海賊版が道端などで売られていて比較的簡単に手に入るのに比べ,正規版は入手性もよくないという。こうした「文化的な面にも目を向けて,適切なハードウエアを投入することが肝心」(Rizzo氏)である。

 Zeebo ConsoleはQualcomm社の携帯電話機向けチップセット「MSM」と,携帯電話機向けソフトウエア・プラットフォーム「BREW」を採用している。これにより大幅な低価格化を実現した。補助記憶装置は1GバイトのFlashメモリで,ここにゲーム・ソフトウエアを格納する。「Z-Credits」と呼ぶ専用の仮想貨幣を購入して,ゲーム・ソフトの購入代金に充てる。「言わば,米Amazon.com社の『Kindle』と同じビジネス・モデル」(Young氏)。ゲーム・ソフトの更新は携帯電話の通信網を利用して,“Over the Air”で実現する。ただしこの機器のために別途携帯電話網に加入する必要はなく,ネットワーク・サービスを無償で利用できるという。

 Zeebo Consoleには4本のゲーム・ソフトが組み込み済みで,5本目を無償でダウンロードできるという。既にカプコンの「Street Fighter Alpha」や米id Software社の「Quake」,米EA Mobileの「FIFA 09」および「Need for Speed Carbon」,米Namco Networks America社の「Ridge Racer」「Alpine Racer」「PAC-MANIA」などのタイトルがZeebo Consoleに対応する。