米First Solar,Inc.は2009年3月20日,太陽電池モジュールの累計生産量が1GWに達したと発表した(発表資料)。

 First Solar社は,マレーシアに計784MW/年規模の大型製造プラントを建設中で,ドイツや米国オハイオ州などの工場と合わせると2009年末には1.2GW/年の生産規模になるとしている。

 同社の太陽電池は,カドミウム・テルル(CdTe)を用いる薄膜型。エネルギー変換効率は,同社が2005年時点のデータとして発表したモジュール効率9%という値がある。2008年には10%台を達成し,2012年には12%を目指すという一部報道もある。コストについては,同社は2009年2月に発電能力1W当たりの製造コストが0.98米ドルとなったと発表した。量産中の太陽電池として初めて1米ドル/Wというラインを下回ったことになる。

 First Solar社はこれまで,発電した電力を一般の電気料金の数倍の値で買い取る「Feed-in Tariffs(FIT)」制度をいち早く導入した欧州で出荷実績を伸ばしてきた。2008年第4四半期(10~12月)の売り上げは4億3365万1000米ドルで,前年同期比で2.16倍(116%増)と不況知らずの好調ぶりである。

 CdTe型太陽電池は以前は日本のメーカーも開発していたが,毒性が高いCdを利用するイメージの悪さなどから量産には至っていない。

【訂正】当初の記事では,First Solar社の「生産能力が1GW/年に達した」としていましたが正しくは,同社の「累計生産量が1GWに達した」でした。記事は修正済みです。お詫びして訂正致します。