2008年の半導体世界市場のメーカー別売上高ラインキング
2008年の半導体世界市場のメーカー別売上高ラインキング
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 米iSuppli Corp.は,2008年の半導体メーカーの年間売上高ランキングを発表した(発表資料)。2008年の世界市場全体の売上高は対前年比5.2%減の2583億400万米ドル。同社は2008年11月に,前年比の減少率を2%と予測していたが,それを下回る結果となった。2008年第4四半期を見ると,市場の売上高は対直前期比で21.5%減少した。メモリ分野の売り上げが引き続き減少したことに加え,すべての製品群でマイナス成長となったためとiSuppli社は説明する。第4四半期に大きく売り上げが減った製品分野は,DSPやNORフラッシュ・メモリ,特定用途向けのアナログICだった。

 メーカー別の売上高を見ると,上位10社のうち8社は前年と比べて減少した。iSuppli社は,「2008年のランキングを見ると,必ずしも上位企業であることがよいことではない」と分析する。この調査は300社近い企業を対象にしているが,そのうち43%のメーカーの売上高はほぼ前年並み,または前年比で増加したという。しかし,上位10社では80%が,上位25社では60%のメーカーが前年から売上高を減らした。「いかに上位10社が苦戦したかがわかる」とiSuppli社は説明する。

上位25社で最も売り上げが減ったのは,Hynix Semiconductor社

 上位10社の中で,市場全体の成長率-5.2%を下回ったのは,2位の韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,3位の東芝,4位の米Texas Instruments Inc.(TI社),6位のルネサス テクノロジ,7位のソニー,9位の韓国Hynix Semiconductor Inc.。中でも,Hynix Semiconductor社の売上高は前年比33.4%減と,上位10社,および上位25社の中で最も落ち込みが大きかった。メモリ分野の不振が要因という。17位のオランダNXP Semiconductors社も同29.4%減と大幅に減少した。無線用チップ事業から撤退したことが響いたとする。

 一方,上位25社のうち,前年に比べて売り上げを伸ばしたのは,5位の伊仏合弁STMicroelectronics社,8位の米Qualcomm Inc.,11位のNECエレクトロニクス,14位の米Broadcom Corp.,15位のパナソニック,18位のシャープ,20位のローム,22位の米Marvell Technology Group Ltd.,23位の台湾MediaTek Inc.,24位の富士通マイクロエレクトロニクスの10社。中でも,Qualcomm社とBroadcom社,ローム,MediaTek社は前年より順位を上げた。

ファブレス・メーカーは好調

 ファブレス・メーカーは前年に引き続き好調で,上位25社の中でも成長率が高かったという。ファブレス・メーカー全体の売上高の伸びは前年比で1.4%増。中でも,Qualcomm社とBroadcom社,Marvell Technology社,MediaTek社は,同10%増を上回る2ケタ成長を遂げている。