中期戦略を説明するリコー代表取締役 社長執行役員の近藤史朗氏
中期戦略を説明するリコー代表取締役 社長執行役員の近藤史朗氏
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 リコーは2009年3月13日,都内で中期経営戦略の説明会を開催,その中で第16次中期経営計画(2008年度~2010年度)の目標の下方修正を明らかにした。計画策定時に2兆5000億円としていた2010年度の売上高は8%引き下げて2兆3000億円に,営業利益は同2500億円から32%引き下げて1700億円とする。同社代表取締役 社長執行役員の近藤史朗氏は,「修正は為替レート(円高)を考慮したため。実質の目標は当初と変えていない」と説明した(図)。


 近藤氏は「旗は降ろさない」と強調。今回の修正では,2010年度の想定為替レートを,それまでの1米ドル=105円から90円に,1ユーロ=155円から120円にそれぞれ変更した。この為替レートを前提にして計算しなおすと今回の修正目標になるという。


 近藤氏は,「ただ,現在は経済全体が収縮しているので厳しい環境にあることは間違いない」という認識を示した上で,「簡単に人員削減してキャッシュをつくるような文化はリコーにはない。目標は,利益を生み出せる分野にリソースをシフトさせる収益の構造改革と,組織の効率を上げて筋肉質の企業に変えることて達成していく。甘いと言われるかもしれないが,地道に取り組む」と語った。重点を置く事業分野としては,画像事業とソリューション・サービスを挙げている。さらに新しい事業領域の創出に挑戦するとしている。