国内の携帯電話機市場と買い替えサイクルの推移と予測
国内の携帯電話機市場と買い替えサイクルの推移と予測
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 MM総研は,国内の携帯電話機の需要減少が2010年度まで続き,2011年度に回復するとの見通しを発表した(発表資料)。同社は2009年2月に,携帯電話機利用者2500人に対してアンケートを実施。端末の買い替えサイクルや端末の購入金額,市場データなどを合わせた分析によって,2013年度までの国内需要を予測したという。

 2008年度の携帯電話機の販売台数は,対前年比25.7%減の3765万台となる見通し。過去最高の販売を記録した2007年度からは大幅に落ち込む。その後も2010年度までは減少傾向が続き,需要が前年比で増加するのは2011年と予測する。しかし,大幅な回復は見込めず,今後5年間の携帯電話機の販売台数は3500万台前後で推移するとみる。

 MM総研は,携帯電話機の販売台数の最大要因を,2007年度の新販売方式導入による端末価格の高騰と分析する。2008年度の携帯電話機の買い替えサイクルは3.1年。2007年度の2.2年から,1年間で約1.4倍に長期化したという。2010年度の3.6年まで買い替えサイクルは長期化するとみるが,その後は一旦長期化が鈍化し,2013年度の買い替えサイクルは3.7年と予測する。

 携帯電話機市場の大幅な回復は見込めないものの,携帯電話機以外の製品を利用した通信サービスやデータ通信サービスには一定の需要があるとMM総研は説明する。データ通信用カードと,いわゆる「ネットブック」と呼ばれるノート・パソコンを使ったブロードバンド・サービスなどが,それに当たるという。今後,モバイルWiMAXや次世代PHS,LTE(long term evolution)などの実現によって,さらに多様なデータ通信サービスや付加価値端末の登場が期待できるとMM総研はいう。このため,通信機能を搭載した携帯電話機以外の製品やサービスを特定のユーザー層に訴求し,ニーズを掘り起こしていくことが,モバイル・ブロードバンド市場活性化のポイントになると分析する。