半導体関連の調査を手掛ける米IC Insights, Inc.は,半導体製品の2009年1月の平均販売価格が,複数の製品分野において2008年12月と比べて値上がりしていると発表した(発表資料)。半導体全体の平均販売価格も同4%上昇し,4週間の平均販売価格は2007年11月以降,最も高い価格を維持したという。分野別に見ると,2009年1月のDRAMの平均販売価格は,過去2年間で最低価格となった2008年12月と比べて,5%上昇した。フラッシュ・メモリ全体の平均販売価格は2008年12月と比べて11%上昇し,2008年6月以来の最高値を記録した。NANDフラッシュ・メモリは同17%上昇した。2008年6月以降の最高値となったとする。その他の製品は,以下の通り。

・マイクロプロセサは2008年12月と比べて23%上昇,2008年9月以来の最高値
・マイコンは同5%上昇,2008年6月以来の最高値
・8ビット・マイコンは同22%上昇,過去2年で最高値
・32ビット・マイコンは2008年第4四半期と比べて9%上昇,2008年4月以来の最高値
・論理半導体は2008年12月と比べて2%上昇,ただし過去2年間で2米ドルを上回ったのは初めて
・アナログ製品は同10%上昇,2007年4月以来の最高値

 IC Insights社は,半導体の平均販売価格が底を打ったかどうかを断言するのは早すぎるとするものの,2009~2010年初頭にかけて半導体の価格が立ち直ると予測する。「今後数カ月以内に,おそらくは劇的に平均販売価格が回復し始める」と示唆する状況がそろってきているという。その理由の一つは,エレクトロニクス機器メーカーにおける在庫水準の低さ。今後機器メーカーからの受注が増加すれば,価格上昇の圧力になると考えられるという。さらに,半導体メーカーの合併や,200mmウエハー対応工場の稼働中止,2009年向けの設備投資の大幅な削減などがプラスに働くとみる。

 同社は,2009年通期の半導体市場は前年比で2ケタの減少となるものの,2009年後半は,半導体の出荷数や平均販売価格などが増加すると予測している。