Siファウンドリー大手による業績予想の上方修正が相次いでいる。シンガポールChartered Semiconductor Manufacturing Ltd.が2009年3月9日に,業界首位の台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.(TSMC)が同10日に,同じく台湾のVanguard International Semiconductor Corp.(VIS)が同12日に,それぞれ2009年1月~3月期の見通しを上方修正した。3社とも前年同期に比べて大幅な減収減益には変わりないものの,直近の受注状況は2009年1月時点の想定を上回る水準で推移しているという。

 TSMCは2009年1月22日発表の予想を上方修正(発表資料)。修正の理由に,受注が急増しており,特に中国からの受注が増えていること,為替が米ドル高に振れていることを挙げた。売上高は前回予想の320億~350億台湾ドルに対して360億~380億台湾ドルとする。前回予想で1~5%としていた粗利益率は14~16%に修正。営業利益率は前回予想の-19~-15%に対し,-2~0%へ修正した。

 Chartered社は,2009年1月30日発表の前回予想よりも赤字幅が小さくなる見通しという(PDF形式の発表資料)。前回予想では純損失1億4700万米ドルを見込んでいたが,1億2700万米ドル程度になる見込み。売上高や平均販売単価などは据え置く。利益上方修正の理由を同社は,4月~6月期出荷分の顧客からの追加注文が増えたことで,ウエハー当たりの製造コストが下がったためと説明している。

 VISも同様に,顧客からの注文が増えたため,従来予想を上方修正するとした(発表資料)。2009年1月時点では,出荷数量が前期に比べて50%台の割合で落ち込むと予測していたが,減少率を30%台半ばへ修正。工場稼働率も当初は20%台を見込んでいたが,30%台前半と予測する。粗利益率は-60%台を-30%台半ばへ修正した。ただし,平均販売単価は製品構成が低価格化したために,前期比の低下率は従来予測の1ケタ前半に対して1ケタ半ばから後半へ下方修正した。