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JASRACやNMRC,音楽配信の権利処理を効率化する「著作権情報集中処理機構」を設立

加納 征子=日経エレクトロニクス
2009/03/09 09:45
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発起人の方々
発起人の方々
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説明に立つ理事の佐々木氏(真ん中)
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木村太郎氏(右から二人目)
木村太郎氏(右から二人目)
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 音楽配信事業者などで組織するネットワ-ク音楽著作権連絡協議会(NMRC)や日本音楽著作権協会(JASRAC)らは2009年3月6日,インターネット上での音楽コンテンツ配信における,著作物の権利処理の効率化を目指す「著作権情報集中処理機構(CDC)」を設立したと発表した。配信事業者と権利者が共通に行っている処理や,一括処理で効率化される業務を一元管理するシステムを構築し,著作物などの適正かつ円滑な利用の促進を狙う。具体的には,各権利者団体の楽曲に関するデータベースを集約し,使用した楽曲の特定や権利者の検索,利用実績の報告などを一元処理できる仕組みを構築する。これによって,著作権情報の問い合わせ窓口が一本化し,権利処理に伴う作業負荷やコストを低減できるとする。

 これまで配信事業者は,使用した楽曲を各権利者団体のデータベースから検索し,利用実績の報告などを権利者団体ごとに行ってきた。しかし,権利者団体の増加に伴い,誰が権利を持っているのかわかりにくくなっていることや,配信事業自体の成長による処理数の急増などによって,楽曲の特定などの作業や費用の増大が課題になっていたという。一方,権利者団体は,楽曲データの自動照合の仕組みなどを採用しているものの,一部手作業による照合が必要になる場合もあり,処理データ数の増大に伴う作業量の増加が課題になっていたとする。

 2009年5月に実験システムを稼働し,本システム構築に向けた競争入札を行う予定。本格運用開始は2010年4月を予定する。配信事業者や権利者団体が同機構の幹事となり,初期の運営費用などを負担する。ただし,運用開始後は誰でも利用できるオープンなシステムになるという。

 今回構築するシステムには,従来のテキスト検索などに加え,音源から直接楽曲を特定できるフィンガープリント技術を活用する。フィンガープリント技術は,音の波形の特徴などを使って楽曲を特定する技術。これによって,効率的な楽曲特定が可能になるとする。

 同機構は,慶応義塾大学大学院 教授の岸博幸氏,ジャーナリストの木村太郎氏,に・よん・なな・みゅーじっく 取締役会長の丸山茂雄氏,渡辺プロダクション 代表取締役会長の渡辺美佐氏,NMRC,JASRACが発起人となって設立。文化庁や総務省,経済産業省が支援するものの,基本的には民間の力で立ち上げる。同機構の運営は配信事業者や権利者団体で形成する幹事会で協議する。

 同機構の理事を務める佐々木隆一氏は,配信事業者と権利者団体双方のデータ処理を一元管理する機構の設立について「過去の状況から考えると,夢のようなプロジェクトだ」と話した。同じく理事を務める菅原瑞夫氏は,「今回の機構設立は,現場の問題から出てきたもの」とし,「著作物の権利処理増大は,音楽配信事業の市場が成長し,形成されたからこそ出てきた問題」と説明した。また,「同機構が将来的に映像を対象にする可能性がある」と報道されたことについては,「この機構で映像まで扱おうとは考えていない。権利処理については同じ発想で考えることができると思うが,映像分野では取り扱う情報がまったく違う。ただし,今回の試みがネットワーク配信事業の権利処理に関するパイロット・ケースになると考えている」と話した。

 自身でもコミュニティ放送を手掛ける木村太郎氏は,「私が代表を務める放送局で,1日に流す楽曲は300曲程度。この権利処理を行おうとすると,現状ではそのためだけに一人の担当者が必要。今回の機構設立は小さな放送局が助かる試みだ」とした。

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