「ガジェットが牽引役の時代は終わった,次はQuality of Lifeだ」,National Semiconductor社会長が見解
これまで,半導体業界にはいくつかのブームがあった。最近のブームはガジェット(民生機器)が牽引したものだ。しかし,このブームはもう既に終わりを告げており,新しいブームが始まっている。次の牽引役は生活の質を高める電子機器(Quality of Life)だ−−−。
アナログ半導体メーカーの米National Semiconductor Corp.でChairman of the Board & Chief Executive Officerを務めるBrian L. Halla氏は2009年2月27日に都内で記者会見を開催し,上記のような見解を示した。「現在,経済状況が極めて厳しい状況にあるのは,GDPの代弁者である半導体業界が生活の質を高める電子機器に対して,最適なチップを提供できていないからだ。実際,アナログ半導体メーカーの株価収益率(PER:price earnings ratio)は伸びていない。新しいイノベーションが生まれていない証拠だ」(同氏)。生活の質を高める電子機器とは,具体的には再生可能エネルギー対応機器や,電気自動車/ハイブリッド車,医療機器,センサ利用のセキュリティ機器などである。「いずれの機器も,アナログ半導体が重要な役割を果たす」(同氏)。
Halla氏は,生活の質を高める電子機器に向けたアナログ半導体製品の例として以下の五つを挙げた。第1に太陽光発電システムの発電性能を高める「Solar Magic」,第2にLED照明器具に向けたドライバIC,第3に携帯機器に向けた無接点充電用IC,第4に医療機器の小型化を実現するアナログ・フロントエンドIC,第5にハイブリッド車に向けた「インテリジェント・バッテリー・マネジメント」用チップである。
この五つのアナログ半導体製品の中でも最も大きな期待をかけるのがSolar Magicだ。これは,太陽電池セルの単位でMPP(Maximum Power Point)制御を実行するもので,太陽電池モジュールに影が出来ても発電電力の減少分を抑えることができるという。「これまで影が出来るため,太陽光発電システムを設置できなかったユーザーがたくさんいた。しかし,こうしたユーザーもSolar Magicを採用すれば太陽光発電システムの設置が可能になる」(同氏)。既に,Solar Magicの日本国内での実用化に向けて,太陽電池メーカーなどと協業に関する話し合いを進めているという。2009年6月24〜26日の日程で開催される「PVJapan2009」で,その具体的な内容を発表する予定だ。



















