米Microsoftは米国時間2009年2月24日,同社の研究プロジェクトを発表する年次イベント「Microsoft Research TechFest 2009」を開催し,同社の世界的な基礎研究へ投資の成果として生まれた約40件の新しい技術を公開した。
今回のTechFestでは,スピーチ,タッチ,ジェスチャーに対応するナチュラル・ユーザー・インタフェース技術から,データベースのコストを低減させる新しいデータセンター技術などのプロジェクトのデモを実施する。
データセンターにかかわるものとしては,2つのプロジェクトを紹介した。1つは,データセンターにおけるエネルギー効率の向上を目的とするプロジェクトの「Closed-Loop Control Systems for the Datacenter」。サービスの応答時間を維持しながら,待機状態のサーバーを低電力状態にすることでエネルギー効率の向上を図るもの。もう1つは,低消費電力プロセサを採用するサーバーを使ったプロジェクト「Low-Power Processors for the Datacenter」。これらのサーバーにより,データセンターにおける大量のリクエストの処理やWebサイト用データベースの稼働といったタスクの実行を試みる。
このほかには,車中で運転者が言葉やタッチ技術を使ってデバイスおよび情報をより自然な方法で利用できるようにする対話システム「Commute UX」や,よりリアルなテレビ会議を実現させる「Audio Spatialization and Acoustic Echo Cancellation」,現実環境においてデジタル技術による付せんを利用できるようにするAR(拡張現実)技術「Sticky Notes in Augmented Reality」などを披露した。
同社のChief Research and Strategy Officer(最高研究戦略責任者)であるCraig Mundie氏は,次のように述べている。「基礎研究および応用研究を行うことは,MicrosoftのDNAの一部である。これまで以上にこの分野に投資することで,当社の研究者や開発者は引き続きエキサイティングな方法で社会問題に対応するための技術を発展させ,コンピューティングの限界を押し広げている」。
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