2008年10月〜12月期の国内パソコン出荷台数シェア
2008年10月〜12月期の国内パソコン出荷台数シェア
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 市場調査会社のインターナショナルデーターコーポレイションジャパン(以下,IDC)は,2008年10月~12月期のパソコンの国内出荷台数が前年同期比3.7%増の346万台だったと発表した。いわゆるネットブックの需要増で市場が活性化したとIDCはみている。IDCでは,液晶パネルの画面サイズが7~12型で,「Atom」プロセサもしくはそれに準ずるプロセサを搭載するノート・パソコンをネットブックと定義している。こうしたネットブックの国内出荷台数は,前期の30万台に対して10月~12月期は40万台に増加。ネットブックを含むノート・パソコンの出荷は前年同期比で24.7%増加した。

 メーカー別出荷台数ではNECが首位を維持した。同社の出荷台数は前年同期比で4.2%増だった。金融危機以前に受注していた案件が今期に出荷され,企業向け市場における落ち込みが少なかったことが寄与したという。以下,5位まで前期と変動はなく,富士通,デル,東芝,日本ヒューレット・パッカードとなっている。上位5社で成長率が最も高いのは東芝。春モデルの投入や,ノート・パソコンに新シリーズを追加したことの効果で,前年同期比17.5%増と出荷台数を大きく伸ばした。

 IDCは,2009年1月~3月期もネットブックを含むノート・パソコンの好調が続き,個人向けパソコンの出荷台数が前年同期比で増加すると予測する。ただし,企業向けパソコン市場は,年度末の決算を3月に控え,出費を抑える企業が増えるため,2009年の中で最も厳しい四半期になる可能性があるとみている。

世界市場は1.9%減

 なお,2008年10月~12月期の世界市場のパソコン出荷台数は前年同期比1.9%減の7621万台となった。欧州・中東・アフリカ地域では出荷が拡大したものの,日本を除くアジア太平洋地域や米国では前年実績を下回った。