自動車市況の先行指標として、自動車用水晶振動子の生産・受注実績が使えそうだ。米国のサブプライムローン問題に端を発した自動車の販売不振は、2008年6月時の自動車用水晶振動子の生産・受注実績に現れ始めている(図)。市況そのものの変調は、2008年4月時の生産・受注実績で予測できた。これは、2008年10月に自動車生産台数が落ち込み始める4カ月~半年前のことである。
水晶振動子は圧電材料である水晶を利用した振動子である。通信機器やテレビ、ビデオ、デジタルカメラ、パソコンなどのあらゆる電子機器に搭載されており、それらの電子機器を動作させるための正確な基準信号を発生させる。半導体が「産業の米」と呼ばれるのに対して、水晶振動子は「産業の塩」と呼ばれている。
自動車分野では、水晶振動子は車載用AV機器やカーナビ、制御装置、安全装置などに使われている。今回、自動車市況の先行指標として利用したのは、日本水晶デバイス工業会が毎月公表している自動車用水晶振動子の月次生産・受注実績である。
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