わずか一人の意見ではありますが,新興国市場でも日本ブランドはまだまだ通用するといえそうです。ただし,先のコラムにもあるように価格がネックになっているのか,新興国で日本の電機メーカーが大成功という話はあまり聞きません。だったら,と根が単純な筆者は想像してしまいます。製品の品質はそのままに,値段を一気に下げれば鬼に金棒じゃないかと。
以前,Apple社の「iPod」の後塵を拝するソニーが挽回するにはどうしたらいいのか,と他社の記者から質問されたことがあります。とっさに口をついて出た回答が「iPodと同じ機能の製品を,もっと安く出せばいいんじゃないですか」。あまりの単純さに,記事に採用してはもらえませんでした。一つ言い訳をさせてもらうと,そのころAppleがやっていたことは,これに似た方法だったと思うのです。今でも忘れられないのが,同社が4GバイトのiPod nanoを249米ドルで発売したときの衝撃です。ソニーどころか,世界中のどのメーカーも追従できない超低価格でした。それにも関わらず,iPod nanoは「安物」の烙印を押されなかったばかりか,確固たるブランドを確立してApple社の快進撃の礎を築きました。恐らく消費者が欲しい機能やデザインでは手を抜かず,「過剰な」機能や品種を削ぎ落としたことで,最も安くても,ちっとも安物でないという矛盾を成り立たせたのでしょう。
日本メーカーにApple社のマネをしろといいたいわけではありません。そもそも,Apple社が日本メーカーを見習ったともいえるのではないでしょうか。冒頭のインド人技術者に聞いた日本製品のイメージは「なんといってもクオリティ(高品質)」。一昔前ならば,その前に「安くて」という枕詞が付いていたはずです。
2月9日~13日のニュース・ランキング
アクセス数トップ10
- 【1位】「年内に市場が上向くことを期待」---トヨタ決算から
- 【2位】「業績下方修正のタイミングは慎重に見極めた」---日産決算から
- 【3位】ホンダ,家庭用のカセットボンベで動く耕運機を開発
- 【4位】「堺工場は予定通り立ち上げる」シャープ決算から
- 【5位】エルピーダの坂本社長,「台湾3社と連合を組めば世界一狙える」
- 【6位】日産,中計は一時中断,従業員は2万人削減へ
- 【7位】「インサイト」,インバータは三菱電機,DC-DCコンバータはTDK
- 【8位】「インサイト」,モータや電池ユニットの製造設備を新設
- 【9位】日産の第3四半期は赤字転落,通期見通しも赤字に
- 【10位】「インサイト」,エコ運転支援機能の開発期間はわずか6カ月
参考になったトップ10
- 【1位】ホンダ,家庭用のカセットボンベで動く耕運機を開発
- 【2位】エルピーダの坂本社長,「台湾3社と連合を組めば世界一狙える」
- 【3位】「インサイト」,エコ運転支援機能の開発期間はわずか6カ月
- 【4位】東レ,銀ナノ粒子を用いた導電フィルムの工業化プロセスを開発
- 【5位】日産,中計は一時中断,従業員は2万人削減へ
- 【6位】「業績下方修正のタイミングは慎重に見極めた」---日産決算から
- 【7位】ホンダ「インサイト」、オーバーハングが長いのは北米衝突基準への対応
- 【8位】「インサイト」、エンジンはそれほど頻繁には止めない
- 【9位】シャープの第3四半期,通期予想ともに赤字に
- 【10位】ホンダ、新型ハイブリッド車「インサイト」を発表