中国のLenovo Group(聯想集団)の2008年10~12月期決算は,継続事業による売上高が35億9200万米ドルで,前年同期比20%減少した(発表資料)。純損失は9700万米ドル(希薄化後1株当たり損失は1.09米ドル)で,前年同期の純利益1億7200万米ドル(同条件の1株当たり利益は1.76米ドル)から赤字に転落した。

 同社は幹部人事の異動も併せて発表した。CEO(最高経営責任者)のWilliam Amelio氏が任期満了に伴い辞任し,会長のYang Yuanqing氏が同日付けで新CEOに就任した。Yuanqing氏は2001~2004年にCEOを務めていた。会長職には,同社設立者で取締役のLiu Chuanzhi氏が復帰した。Amelio氏は9月まで顧問として同社に残る。Chuanzhi氏は,「当社は国際舞台で成長を遂げてきたが,この重要な時期において,当社の世界的ビジネスの基盤である中国事業に特に焦点を当てたい」と述べた。

 当期のノート・パソコンの出荷台数は前年同期と比べ3%増加した。しかし業界全体の成長率19%を大幅に下回った。ノート・パソコンの売上高は前年同期比20%減の21億米ドルで,売上高全体の57%を占めた。デスクトップ・パソコンの出荷台数は同11%縮小した。業界全体の平均は同18%減だった。デスクトップ・パソコンの売上高は同21%減の15億米ドルで,売上高全体の41%を創出した。

 地域別でみると,中国本土の売上高は16億米ドル(総売上高の45%)で,パソコン出荷台数は同1%減少した。業界平均の出荷台数が同6%減少したため,同社の中国市場におけるシェアは同1.8ポイント拡大し,30.5%を獲得した。

 米大陸の売上高は9億400万米ドル(総売上高の25%)で,パソコン出荷台数は前年同期比6%減少した。EMEA(欧州,中東,アフリカ)の売上高は7億3500万米ドル(同20%),パソコン出荷台数は同3%減だった。中国本土を除くアジア太平洋地域の売上高は3億4300万米ドル(同10%),パソコン出荷台数は特にインドの不調が響いて同23%減少した。

 同社はすでに発表済みのリストラ計画を1月8日に開始しており,2010会計年度に約3億米ドルのコスト削減を目指す。