2009年のETロボコンは走行ロボットを変更,地区大会も7個所に拡大《訂正あり》
ETロボコン実行委員会およびJASA(Japan Embedded Systems Technology Association:組込みシステム技術協会)は2009年2月5日,若手組み込み技術者育成を目的としたイベント「ETロボコン2009」の開催概要を発表した(ETロボコン2009のサイト)。
ETロボコンは,各地で行われる地区大会を経て,11月に開催されるチャンピオンシップ大会でモデリングおよびロボット性能の優秀チームを決定する競技会。競い合うだけでなく,「若手エンジニアに,組み込みソフト開発の分析・設計やもの作りの楽しさを経験する教育的な機会を与える」(ETロボコン実行委員会 副実行委員長の渡辺登氏)ことを目的としている。
2002年の初開催以降,参加者が増え続けており,昨年のETロボコンは291チーム(1500人)が参加した。今年は350チーム程度の参加者を見込んでいる。
今年の大会では,競技方式に大きな変更点がある。ETロボコンでは,ロボットの作成にデンマークLEGO社のLEGO MINDSTORMS(レゴ マインドストーム)を利用する。マインドストームにはロボットの中核となるマイクロコンピュータに,初期型の「RCX」と上位版の「NXT」の2種類があるが,2008年までのETロボコンでは「RCX」を使った走行体に限定されていた。今年から「NXT」を使った走行体(2輪型倒立振子ロボット)に変更する(ただし,移行措置としてETロボコン2009ではRCX走行体の利用も認める)。
動作周波数16MHzで8ビットのCPUを持つRCXから,同48MHzで32ビットのARM7を搭載したNXTに変更することについて,同委員会 技術委員の近政隆氏は「これまではハードウエアの制約がモデリングを制約してしまう面があった。CPUが大幅にパワーアップすることで,性能とモデリングの両面で試せることが増える」と変更のメリットを語った。
NXT用のプログラム開発環境として,C/C++を利用する「nxtOSEK/JSP」とJava向けの「leJOS NXJ」の二種類のオープンソース・ツールを紹介した。実行委員会は,参加者のしきいを下げるため,倒立振子制御用のAPI(C/C++用のみ)を用意するという。これ以外に,商用の開発ツールなどを利用することも可能だ。開発者のコミュニティーがAPIなどを提供する可能性もある。
また,地区大会の開催地も増える。昨年の関東,関西,東海,東北,九州に加えて,北関東大会(群馬)と南関東大会(横浜)を新たに追加した。2008年の関東大会は,参加チーム(130チーム)が多いために,3日に分けて競技を行う必要があった。北関東と南関東の大会を追加することで,関東大会(東京)への集中を分散する。なお,北関東大会の開催地は今後,群馬と新潟の交互開催を検討しているという。
2009年2〜3月にかけて各地区で参加希望者向けの実施説明会を開催した後,参加申し込みの受付を開始する(申し込み締め切りは4月6日)。4月下旬から参加者に対して技術教育や試走会などの機会を設ける。地区大会は8〜9月に行われる予定。
発表会の最後に,実行委員長の星光行氏は,「ETロボコンには若手技術者を育成するという目的のほかに,ベテラン技術者が各地区で実行委員や審査委員を務めることで『教えられる人を育てる』という意義もある」とし,日本の組み込み産業全体の競争力向上を目指すETロボコンへの支援と協力を呼びかけた。
《訂正》記事初出時は,「JESTA(Japan Embedded Systems Technology Association」としていましたが,「JASA(Japan Embedded Systems Technology Association)」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。
【6/19開催NEアカデミー】
組み込みソフトはこうやってモデリングする
コード中心からモデル中心の開発へ
大規模・複雑化する組み込みソフトウエアを、どのように扱うべきか。その一つの答えが、ソフトウエアのモデリングです。現状の巨大なシステムがどのような構造を持っているのか。それを「設計図(モデル)」として適切に把握できなければ、次世代のソフトウエア・アーキテクチャは構築できません。本セミナーでは、静的構造図、動的構造図などソフトウエア設計図(モデル)の具体例を紹介し、「高凝集・疎結合」、「走り切り」といったソフトウエアの設計原則について解説します(詳細はこちら)。












