試作した局内装置(OLT)
試作した局内装置(OLT)
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開発した,XFP(10Gigabit small form factor pluggable)サイズの光送受信モジュール
開発した,XFP(10Gigabit small form factor pluggable)サイズの光送受信モジュール
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 三菱電機は,上り下りの各方向で10Gビット/秒の伝送が可能な光通信サービス向け加入者収容システムを試作したと発表した。「例えば,遠隔医療など」(同社)の実現に向け,5年以内の商用化を目指しているという。

 三菱電機が試作したのは,「10G-EPON」と呼ぶ,物理伝送速度が10Gビット/秒の光通信回線を数十人のユーザーで共用する方式に基づいたシステム。同方式は現在「IEEE802.3av」という規格名で標準化作業中である。同規格は2009年3月にも最終的な草案が固まり,同年9月に標準化が完了する見通しであるため,通信機器ベンダー各社による試作システムの発表が増えてきている(関連記事)。

 三菱電機の試作機の特徴は,下りだけでなく,上り通信も10Gビット/秒であることと,1台の局内装置(OLT)に10Gビット/秒の加入者側終端装置(ONU)と既存の1Gビット/秒規格のONUを混在させて接続できること。「高速応答が可能な光送受信器を独自に開発したことで可能になった」(同社)という。

 ONUのコストは,「既存の1Gビット/秒のONUの1.5~2倍にするのが目標」(同社)。2009年中にもどこまでコストが下げられるかのメドが立つという。