米国の消費者保護団体Consumer Watchdogは米国時間2009年1月27日,医療記録の売買を防ぐために法の抜け穴をふさぎ,プライバシの保護規制を強化するよう,米国議会に呼びかけた。

 同団体によると,米Googleは景気を刺激するための「Economic Stimulus Act(経済活性法)」の改正案において,医療記録の売買禁止条項を弱めるよう,ロビー活動を行う予定だという。同団体は,Googleが同社のオンライン医療情報管理サービス「Google Health」で収集した個人の情報を広告主に販売できるように,議会に働きかける意向だと主張している。

 現行の経済活性法では,個人の医療記録の販売を基本的に禁じているが,“研究目的”のためなら例外を認めているという。同団体は,製薬会社や医療保険会社がこの法の抜け穴を利用する恐れあるとして,より厳格な個人情報の保護規制を求めている。

 Googleは同日,同社の公式ブログで声明を発表し,Consumer Watchdogの同社に対する主張は事実無根だと反論した。同社ポリシー担当上級弁護人のPablo Chavez氏は,「当社がユーザーの健康情報を販売することはない。そもそも,ヘルスケア業界における医療情報の売買自体に反対の立場を取っている」と述べた。「当社は確固たるプライバシ保護指針を持っており,Google Healthはもちろん,Gmailをはじめ当社のサービスを通じて得た個人情報を販売することはしない」としている。

[Consumer Watchdogの発表資料] [Google公式ブログ]