米Cisco Systemsはスペイン・バルセロナで開催中の同社イベント「Cisco Networkers 2009」で現地時間2009年1月27日,企業が電力消費量を管理するための新たなプラットフォーム「Cisco EnergyWise」を発表した。ネットワーク装置をはじめとするIT機器や建物などの社内インフラ全体について,電力の利用状況をリアルタイムで一元管理し,無駄な電力消費を抑え,コスト抑制や温室効果ガス削減につなげられるという。

 EnergyWiseは3段階で展開する。まず2009年2月に第1弾として,同社スイッチ製品「Catalyst」でEnergyWiseのサポートを開始。IP電話,監視カメラ,無線アクセス・ポイントなど,ネットワーク接続されたIP機器の電力消費を管理できるようにする。Catalyst用のソフトウエアは無償で提供する。

 2009年夏には,管理の対象範囲を,パソコンやプリンタなどのIT機器にも拡大。さらに,2010年初頭には,照明,空調,エレベーターなど,館内設備全体の電力消費も管理できるようにする。

 情報のやり取りと制御は,ネットワーク・ベースの通信で行う。電力消費に関するポリシーを定め,運用をきめ細かく制御することが可能。たとえば,終業時間後や夜間に機器を省電力モードに移行させたり,社員の在室状況に応じて空調や照明を管理したりできる。

 これに合わせ,Ciscoは同日,米Richards-Zeta Building Intelligenceを買収したことを発表した。買収額は未公表。Richards-Zetaは,IPネットワークを使って建物設備の運用データをITアプリケーションと連携させるミドルウエア技術やビル管理システムを開発している。Ciscoは同社の技術をEnergyWiseをはじめとするソリューションで活用する意向。

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