【MEMS2009】無線操縦カブト虫ロボット,その目的と目標
米University of California, Berkeleyは,カブト虫を無線操縦する実験を成功させた。イタリアのソレントで開催中の学会「MEMS2009」でその結果をビデオによって公開した。
合わせて6本の電極を脳や筋肉に差し,ここに与える信号によってカブト虫のハネの動きなどを制御する。電極に信号を与える回路,無線回路,マイコン,電池を搭載したモジュールをカブト虫に乗せて,無線操縦できるようにした。同大学では,これまで昆虫を電気的に制御する実験を成功させてきたが,今回は無線化した。
今回,カブト虫を使った理由は,最大3gのモノを乗せることができるためである。搭載したモジュールは約1.3gであり,カブト虫はこのモジュールを背負った状態で飛翔できる。
何が目的でこのような研究をするのか。米DARPAが資金援助していることから,軍事目的の匂いがする。この点について同大学では,平和目的でも活躍できるとする。実際,人間が狭かったり危険だったりして入れないところで活躍できる用途は多数ある。
そのために,将来はカメラを含めたセンサーを搭載したいとする。これによってこのカブト虫は,人間に代わって,周囲の状況を把握するロボットとして活躍できるようになる。カブト虫は,3gの重さに耐えるため,現在搭載した1.3gを差し引いて1.7gの重さのセンサーを搭載可能である。
ただし,この研究の最終目標は,センサーの搭載ではなく,さらに先にある。カブト虫には眼などセンサーを既に搭載している。また,食物からエネルギーを得るシステムも備わっている。そこで,昆虫に備わったセンサー,そして電池の代わりに昆虫の持つエネルギー・システムを活用することを狙う。人間にとって有益な“サイボーグ”を生み出すことを考えるなら,“生産性”という概念も必要となる。この点について同大学では,カブト虫では電極の挿し位置が少々ずれても問題がないとし,短時間にサイボーグを生み出すことができるとする。


















