2008年第4四半期におけるメーカー別の出荷台数シェア
2008年第4四半期におけるメーカー別の出荷台数シェア
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 調査会社の米Strategy Analytics,Inc.は,2008年第4四半期における携帯電話機の世界市場調査の結果を発表した。出荷台数は,対前年同期比10.5%減の2億9460万台だった。2001年第4四半期以降,最も大きな減少幅だったという。先進国市場と新興市場の両方で,景気が悪化したことが響いた。

 メーカー別の出荷台数を見ると,上位5社のうち,フィンランドNokia Corp.,米Motorola Inc.,日スウェーデン合弁Sony Ericsson Mobile Communications ABはともに,2ケタの大幅減少となった。Strategy Analytics社は,出荷台数と売上高の大幅な減少によって,携帯端末産業は2009年に,コスト管理と収益性の回復に注力せざるを得ないとする。

 上位5社で,前年同期と比べて出荷を増やしたのは韓国勢。出荷台数を最も伸ばしたのは,2位の韓国Samsung Electronics Co., Ltd.だった。前年同期比14.0%増の5280万台を出荷した。シェアは同3.8ポイント増の17.9%だった。魅力的な端末の品揃えと幅広い販売チャネルが,出荷増に貢献したという。

 3位の韓国LG Electronics Inc.も出荷台数を伸ばした。出荷台数は対前年同期比8.4%増の2570万台。シェアは同1.5ポイント増の8.7%だった。この他のメーカーの出荷台数は,首位のNokia社が同15.2%減の1億1310万台,4位Sony Ericsson社が同21.4%減の2420万台,5位Motorola社が同53.5%減の1900万台だった。
 
 「iPhone」および「iPhone 3G」を出荷する米Apple Inc.は,好調が続く。2008年第4四半期の出荷台数は440万台だった。ただし,当初の予想台数には届かなかったという。前年同期比の出荷台数の伸びは88%だったが,直前期の516%とくらべると大幅に鈍化している。Strategy Analytics社は,「Apple社は市場平均を上回るペースで成長を続けるだろうが,世界経済と携帯端末産業の広範な景気後退の影響を受けないわけではない」と説明している。


《訂正》記事掲載当初,第4段落で,メーカー別の出荷台数の順位を「4位がMotorola社,5位がSony Ericsson社」としていましたが,正しくは「4位がSony Ericsson社,5位がMotorola社」です。お詫びして訂正いたします。記事本文は既に訂正済みです。