エレクトロニクス関連の市場調査を手掛ける米iSuppli Corp.は,LEDの世界売上高が2009年に2.9%の成長を遂げるとの予測を発表した。2008年の成長率10.8%を下回るものの「半導体市場が減速する中で成長基調を維持できるのは注目に値する」(iSuppli社senior vice presidentのDale Ford氏)。

 成長をけん引するのは液晶テレビのバックライト用途である。iSuppli社によれば,2009年の液晶テレビ向けLEDの売上高は2008年の5100万米ドルに対して3倍超の1億6300万米ドルになる見込み。2012年には14億米ドルまで拡大するという。iSuppli社テレビ部門の主席アナリストであるRiddhi Patel氏は「米国で開催された『2009 International CES』で,テレビ・メーカー各社は筐体の薄型化とLEDバックライト採用という液晶テレビの未来を示した。LEDバックライトの採用は筐体の薄型化と消費電力の低減につながる。どちらも消費者の心をつかむ特徴だ」と話す。

 ただし,LEDバックライトはCCFL(冷陰極管)バックライトに比べて価格が高い。iSuppli社の試算によれば,バックライトにLEDを採用した場合とCCFLを採用した場合の価格差は現在,40~42型の液晶テレビで200~500米ドル程度という。Patel氏は「CESではソニーや韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が夏商戦向けのLEDバックライト採用機を展示していた。米General Electric Co.と台湾Tatung Co.の合弁会社もLEDバックライト採用の液晶テレビを開発するとみられる。今後,メーカー間の競争が激しくなり,価格は下がっていくだろう」とした。