図◎トヨタ自動車の新社長への昇格が内定した豊田章男氏(中央)。張富士夫氏(右)は会長に留任し,渡辺捷昭氏(左)は副会長への昇格が内定した。
図◎トヨタ自動車の新社長への昇格が内定した豊田章男氏(中央)。張富士夫氏(右)は会長に留任し,渡辺捷昭氏(左)は副会長への昇格が内定した。
[画像のクリックで拡大表示]

 トヨタ自動車は2009年1月20日,新しい社長に副社長の豊田章男氏が昇格する人事を内定したと発表した(図)。同年6月の株主総会と,その後の取締役会を経て正式に決定する。同氏は同社の創業者である豊田喜一郎氏の孫。豊田章男氏は「現場に最も近い社長になりたい」と抱負を語った。

 豊田章男氏は,1984年にトヨタ自動車に入社。ITを活用した販売店の業務改善や車載情報ネットワーク「G-BOOK」の導入など情報事業部門の立ち上げに手腕を発揮したほか,新興国市場向けの世界戦略車「IMV」プロジェクトや中国事業で活躍した。また,調達部門や品質部門,国内営業部門,商品企画部門など,幅広い分野での経験も積んでいる。入社6年目にはトヨタ生産方式を社内外に指導する生産調査部に所属し,トヨタ自動車の特徴の一つである現場の改善も経験しているという。

 豊田章男氏は「100年に一度と言われる未曽有の難局の中,トヨタの舵取りを担うことになり,身の引き締まる思いだ。従来から大切にしてきた『お客様第一』,『現地・現物』といった創業の原点に回帰し,時代の大きな変化を中長期の視点で見据えて,大胆な改革に(挑んでほしい)との言葉を肝に銘じたい。あえて(抱負を)言うなら,現場に一番近い社長でいたいと思っている。全力で大任を果たしていきたい」と語った。

この記事を英語で読む