図1 実演の様子。画面右のパソコン筐体に米PLDO社の試作基板を搭載している。画面下にあるのが,Symwave社が試作したデバイス側の基板
図1 実演の様子。画面右のパソコン筐体に米PLDO社の試作基板を搭載している。画面下にあるのが,Symwave社が試作したデバイス側の基板
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図2  HDDへのデータ転送速度を示している。左が現在の速度で,右が平均速度である。
図2  HDDへのデータ転送速度を示している。左が現在の速度で,右が平均速度である。
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図3 デバイス側の基板。下にある大型基板の右側の黒いチップがUSB3.0の物理層回路を実装したLSIである。FPGAは,大型基板の中央にある銀色のチップと上の小型基板の大型チップの2チップを利用した。SATAの物理層LSIは小型基板に搭載している。画面の左奥にHDDがある。
図3 デバイス側の基板。下にある大型基板の右側の黒いチップがUSB3.0の物理層回路を実装したLSIである。FPGAは,大型基板の中央にある銀色のチップと上の小型基板の大型チップの2チップを利用した。SATAの物理層LSIは小型基板に搭載している。画面の左奥にHDDがある。
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 米Symwave,Inc.は,USB3.0の物理層回路を実装したLSIを試作し,USB 3.0によるデータ伝送デモを披露した(Tech-On!関連記事)。外部記憶装置といった周辺機器に相当する「デバイス」での利用を想定した実演である。パソコンなど送受信の主となる「ホスト」側の基板から,USB 3.0により同社のデバイス側の基板にデータを伝送する。ホスト・コントローラとして米PLDA社の試作基板を採用し,デバイス側はSymwave社が試作した基板を用いた。これにより,相互接続性を確保したとアピールしていた。

 HDDへのデータ書き込みを想定し, Serial ATA(SATA)インタフェースでデバイス側の基板とHDDを接続していた(図1)。HDDへのデータ転送速度は約80Mバイト/秒とする(図2)。USB3.0は従来のUSB2.0の10倍以上の速度であるため,「約200~300Mバイト/秒のデータ転送速度になる」(説明員)ものの,用いたHDDのSATAの仕様から約80Mバイト/秒にとどまっているという。USB3.0の物理層LSIと,LSIを用いた実演を公開するのは今回で2度目だが,HDDを使った実演を披露するのは今回が初めてである。ホストとデバイスの通信には,USB 3.0対応の試作ケーブルを利用した。

 デバイス側の基板には,物理層LSIとともに,USB3.0のリンク層やプロトコル層などを実装したFPGAやSATAの物理層LSIが搭載されている(図3)。製品化の際には,これらのチップを一つにし,USB3.0-SATAのブリッジLSIにする予定である。2009年第3四半期の製品化を目標に掲げる。「早ければ2009年末にはUSB3.0インタフェースを備えた外付けHDDなどが登場するだろう」(説明員)とみる。