図7 触覚フィードバックで実際に押した感覚に近づける タッチ・センサの課題は,ユーザーが操作している現実感を得にくいこと。触覚フィードバックを採用して,ボタンを押したときの感覚をユーザーに伝える機能を搭載する携帯電話機が増えている。Samsung Electronics社とLG Electronics社が2008年2月にそれぞれ発表した携帯電話機は,タッチ・パネルに表示されたアイコンを選択する際に振動する機能を搭載する(a,b)。
図7 触覚フィードバックで実際に押した感覚に近づける タッチ・センサの課題は,ユーザーが操作している現実感を得にくいこと。触覚フィードバックを採用して,ボタンを押したときの感覚をユーザーに伝える機能を搭載する携帯電話機が増えている。Samsung Electronics社とLG Electronics社が2008年2月にそれぞれ発表した携帯電話機は,タッチ・パネルに表示されたアイコンを選択する際に振動する機能を搭載する(a,b)。 (画像のクリックで拡大)

 触覚フィードバックの技術は,既に一部の携帯電話機やカーナビ,テレビ・リモコンに備わっている(図7)。しかし,採用はまだ限定的で,かつフィードバック時の振動のさせ方も単純なものが多い。今後は,より現実に近い感触をユーザーに伝えられる技術が製品に採用されるようになる。

 一方,指で触った部分が見えにくくなる,という課題に対しては,背面に付いたタッチ・センサで操作する技術の開発が進んでいる。

タッチ・センサで機器を差異化

 タッチ・センサの低価格化や選択肢の増加は,機器メーカーがタッチ・センサを採用する敷居を大幅に下げる。さらに,先述したような技術が実用化されれば,タッチ・センサを使ってこれまでにないアプリケーションを開発できる可能性がある(図8)。つまりタッチ・センサで「入力革新」を起こせるわけだ。

図8 タッチ・センサによって将来実現する新たな用途例 タッチ・センサはライフスタイルを変えるほどの潜在能力を持つ。実際の感触を画面を通じて人に伝えられるようになれば,インターネット通販で,肌触りを確かめた上で洋服を購入できる(a)。スキャナー機能を持ったタッチ・パネルを使えば,気になる文章をすぐさま情報端末に取り込むことができる(b)。街中で欲しい商品を見つけたら,タッチ・パネル付きショー・ウインドーで商品に関する詳細情報を得られるようになる(c)。タッチ・センサを押している力の強さがわかれば,専用ペンを使わずとも指や手だけで色の濃淡や線の太さを変えて絵を描いたり文字を入力したりできる(d)。
図8 タッチ・センサによって将来実現する新たな用途例 タッチ・センサはライフスタイルを変えるほどの潜在能力を持つ。実際の感触を画面を通じて人に伝えられるようになれば,インターネット通販で,肌触りを確かめた上で洋服を購入できる(a)。スキャナー機能を持ったタッチ・パネルを使えば,気になる文章をすぐさま情報端末に取り込むことができる(b)。街中で欲しい商品を見つけたら,タッチ・パネル付きショー・ウインドーで商品に関する詳細情報を得られるようになる(c)。タッチ・センサを押している力の強さがわかれば,専用ペンを使わずとも指や手だけで色の濃淡や線の太さを変えて絵を描いたり文字を入力したりできる(d)。 (画像のクリックで拡大)