国際レコード産業連盟(IFPI)は英国時間2009年1月16日,2008年のデジタル音楽市場に関する調査結果を発表した。それによると,2008年にWebサイトや携帯電話を通じて販売されたデジタル音楽の売上高は前年比25%増の推定37億ドルで,6年連続で成長した。デジタル音楽が音楽市場全体の売上に占める割合は,前年の15%から20%に拡大した。

 2008年は,フィンランドNokiaの「Comes With Music」(関連記事:Nokia,1年間アクセス無制限の音楽配信サービス「Comes With Music」を英国で開始)や,SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトの「MySpace.com」が提供する「MySpace Music」(関連記事:MySpace.com,広告ベースの音楽配信サービスを開始)など,新しいサブスクリプション型の音楽配信サービスが登場している。これについて,IFPI会長兼CEOのJohn Kennedy氏は,「音楽の流通および取得手段の劇的な変化を受けて,音楽業界は新しいビジネス・モデルへの転換を図っている」と述べた。

 一方で,音楽の違法ダウンロードは依然として活発に行なわれている。IFPIの推計では,2008年にファイル共有サービスを介して違法にダウンロードされた音楽ファイルは400億を超える。これは,音楽ダウンロード全体の約95%に当たるという。

 米メディア(New York Times)によると,2008年の米国音楽販売は,CDの売上高が前年比20%減と大幅に落ち込んだ。デジタル音楽が米国の音楽市場全体の売上に占める割合は39%に拡大し,米Appleが米国最大の音楽小売業者の地位についた。また,米国はデジタル音楽世界市場において,50%のシェアを占めている。

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