日経HRは,電機・電子・機械系技術者を対象に,2008年11月11日から同25日にかけてインターネット上でアンケートを実施,企業に対する印象や転職意向を調査した。これによると,「働いてみたいと思う企業」の首位にトヨタ自動車が2年ぶりに返り咲き,前年首位だったホンダを僅差でかわした。自動車メーカーでは,前年20位だった日産自動車も9位に上昇している。前年に比べて順位を上げた企業はこのほか,前年5位から3位へ上昇したパナソニック,6位から4位になった任天堂,10位から8位に上がった東芝,29位から10位に上がったNECなど。逆に順位を落としたのは,キヤノン,ソニー,村田製作所などである。

「働いてみたい」企業ランキング上位20社(有効回答502人,複数回答制)
「働いてみたい」企業ランキング上位20社(有効回答502人,複数回答制) (画像のクリックで拡大)

 項目別のイメージ調査で,トヨタ自動車は「安定性がある」「開発・研究に熱心」など11項目中6項目で首位に立った。パナソニックは「信頼できる」企業の首位に立ち,この項目では回答者の47.3%の支持を集めている(複数回答)。「製品・サービスが優れている」企業部門ではパナソニックと任天堂が首位を分け合った。任天堂は「将来性がある」企業の首位にも輝いた。「働いてみたい」企業ランキングでは前年の11位から14位へ転落したインテルは「先進性がある」「技術力がある」の2項目で,いずれも回答者の約1/2の支持を集めて首位に立った。同じく「働いてみたい」企業で順位を落としたソニーも「先進性」では2位につけている。

企業イメージ4項目の各上位10社。表右の数値は回答率(単位:%)。※「信頼できる」企業のインテルとNECは同率9位。ホンダ=本田技研工業/本田技術研究所。
企業イメージ4項目の各上位10社。表右の数値は回答率(単位:%)。※「信頼できる」企業のインテルとNECは同率9位。ホンダ=本田技研工業/本田技術研究所。 (画像のクリックで拡大)

 転職意向に関しては,「転職活動中」から「条件次第で転職の可能性がある」まで,何らかの転職意向を持つ比率が前回調査の77%から74.4%に低下した。「転職しようと思わない」と回答した人にその理由を尋ねたところ,「現状に満足」という積極的理由は47.3%にとどまり,前回調査を5.1ポイント下回った。逆に「年齢が高すぎる」「収入が減るかもしれない」などが軒並みポイントを高めた。厳しい経済環境の中で転職に消極的にならざるをえない実態を示すものと日経HRは分析している。

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