図◎アルコールなどへの耐性を高めた「高耐性包材」の例。袋状のほか,チューブ型にもできる。
図◎アルコールなどへの耐性を高めた「高耐性包材」の例。袋状のほか,チューブ型にもできる。
[画像のクリックで拡大表示]

 凸版印刷は,アルコールや香料など浸透性の高い成分を含む内容物への耐性が高いフィルム包材「高耐性包材」を開発した(図)。工業用の薬品や農薬,化粧品,医薬品,界面活性剤を含む洗浄剤,食品といった内容物に向く。

 一般にフィルム包材は,複数枚の機能性フィルムから成る。従来,アルコールなどを含む製品をフィルム包材に入れると,それらが浸透して層間の接着強度が低下し,浮きやはがれなどが生じる恐れがあった。そこで同社は,使用するフィルムや接着剤,積層方法を見直すことで,層同士の密着度を高める方法を確立した。これにより新フィルム包材は,従来のフィルム包材では対応できなかった浸透性の高い内容物への利用が可能になった。

 さらに同包材は,袋状やチューブ型にしたり,ふたや口栓を付けたりできる。そのため同社は,これまでガラス瓶や缶容器,プラスチック容器などを採用していた製品で,フィルム包材への置き換えが可能とみる。

 この包材は既に,大手メーカーの浴用剤に採用されているという。同社は2009年1月15日から,浸透性の高い内容物を扱うことの多いトイレタリー業界や化粧品業界,食品業界に向けて拡販する計画だ。