東芝はマイクロプロセサ「Cell」を超解像に使うと盛んにアピールしている。現在の東芝の「REGZA」製品の超解像は,横1440から1920への変換に使っているが,CellテレビではフルHDを「4K×2K」に変える。アルゴリズム的には現在と同じ再構成法だが,さらにもろもろの高画質化技術を加えるという。基本的にリアルタイム処理で,現在は1回フィードバックのところ,Cellなら3回は回せる。それが高画質のキー(鍵)だとしている。
「2009 International CES」の初日,東芝ブースでフルHDから4K×2KへのCell超解像の実演を見たが,2008年のCESにおけるSDTVからHDTVへの超解像のデモンストレーションよりはるかにスマートになっている。同一の4K×2Kディスプレイで,オフ(フルHDから4K×2Kへの通常のアップコンバート)とオン(Cell超解像)を比較している。
両者の解像感はかなり違う。オフではベタっとした感じが否めないが,オンではかなり詳細(ディテール)を表現できる。もちろんネイティブ(本来)の4K×2Kには達していない感じだが,これから磨けばそれなり以上のものにはなるのではないか,と思った。ただし,S/N 的にはなかなか厳しい。特に動きの「わさわさ」感が気になった。それは元からの雑音を強調しているからだ。オーバーシュートも強調される。フルHDの画像を分析し,S/N用の超解像,階調用の超解像,シュート用の超解像などの技術を磨こう。今後の改良が楽しみだ。