FPD関連の市場調査を手掛ける韓国Displaybank Co., Ltd.は,液晶パネルの価格が底を打ったとする市場見通しを発表した。2009年1月の大型液晶パネルの価格は2008年12月と同等で推移しているという。2008年11月から液晶パネル・メーカー各社が減産幅を拡大していることが主因。さらに台湾・中国のメーカーは春節(いわゆる旧正月)休暇として1月20日または21日から14~15日間にわたって工場を停止するため,生産量は落ちる見込み。

 デスクトップ・パソコンの液晶モニタ向けパネルの需要も,前年同月に比べると大幅減ながら,前月に比べると増している。2008年12月の750万枚に対して2009年1月は890万枚となり,一時的に需給はタイトになる見込み。また,液晶パネルの価格は既に原材料のレベルにまで下がっているため,現在が底値とDisplaybank社はみている。1月で底を打ち,2月は春節休暇が明けても価格は落ちず,モニタ向けに限れば1月に比べて上昇すると予測した。なお,ノート・パソコン向けとテレビ向けは在庫水準が高いため,上昇に転じるところまではいかないと予測する。

 同社senior researcherのRicky Park氏は「液晶パネル・メーカー各社が再び工場稼働率を上げ,生産能力を拡大した場合は,価格上昇は一時的な現象になるだろう。2009年第2四半期(4月~6月)に需要が伸びるようなら価格の上昇は続くはずだが,需要拡大はなさそうだ」とした。