技術経営 技術者が知っておきたい経営と市場の最新情報
 

【ポストBRICs報告:UAEその6】韓国LG Electronics社に中東・アフリカ市場展開を聞く

韓国LG Electronics,Inc. Ki Wan Kim氏

内田 泰=日経エレクトロニクス
2008/12/26 11:55
印刷用ページ
LG Electronics社Middle East&Africa Regional Company CEOのKi Wan Kim氏
LG Electronics社Middle East&Africa Regional Company CEOのKi Wan Kim氏
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 新興国市場への展開を積極的に進めている韓国LG Electronics,Inc.。中東・アフリカ市場でも薄型テレビなどのデジタル家電,白物家電で上位のシェアを占める。同社で中東・アフリカ市場を統括する,Middle East&Africa Regional Company CEOのKi Wan Kim氏に話を聞いた。

——LG Electronics社の中東・アフリカ市場でのビジネスの歴史を教えてほしい。

Kim氏 ビジネスを開始したのは中東市場からで,今から20年ほど前のことだ。そのころ,韓国の建設関連企業は中東における建設事業に関わっており,多くの韓国人労働者やエンジニアが中東で働いてた。当時の韓国は貧しく,多くの若者が中東で家電を買って韓国に送っていた。韓国で家電を買うと関税が高く,ぜいたく品だったからだ。そこでLG社は,ここにショー・ルームを開設したり,カタログを彼らに配って注文を受け,韓国の家族の元に家電製品を送るビジネスを始めた。それがスタートだ。このビジネスは7年ほどで終わったが,建設需要が大きかったサウジアラビアとクエートに最初のオフィスを開設した。

——Kimさんの統括エリアは,中東・アフリカだが,現在は何カ国をカバーし,オフィスを何カ所開設しているのか。

Kim氏 今,カバーしているのは中東・アフリカ地区の78カ国。それを19カ国に設立したオフィスで見ている。その中には,イラクも含まれる。当社がオフィスを構えるイラク北部は政情も安定しており,治安上,問題はない。

——売上げ規模はどの程度か。

Kim氏 2007年は31億米ドル。2008年は40億米ドルを見込んでいる。

——統括する市場は広いが,その大半はイスラム教,アラビア語圏である。世界のその他の地域とは異なる戦略が必要になるのか。

Kim氏 私見では,アラビア系の人は西欧人よりも韓国人によく似ている。伝統を重んじ,情熱的で家族を大事にする。その点で韓国向けの戦略が通用する。もっとも,250カ国の人が住むといわれるUAE(アラブ首長国連邦)市場向けには,細かいセグメント別の戦略が必要になる。例えば,携帯電話機ではフィリピン人向け,インド人向けなどでデザインなどを変えている。

——2008年にはイスラム教のコーランを内蔵するHDDに記憶し,画面に表示できる液晶テレビを発売した。こうした地域ごとの独自仕様の製品を開発する際には,消費者に対してリサーチなどをかけるのか。

Kim氏 当社は消費者ニーズなどに対する調査に多くの投資をしている。コーラン対応テレビは,裕福で,イスラム教への信仰心が厚いアラブ人に大きなニーズがあることが調査で分かったために開発した。

——通常,製品企画は各地域の担当者が行うのか。

Kim氏 そうだ。地域ごとに製品企画を立てる。そして韓国本社のR&Dセンターにいるエンジニアなどと議論をして仕様などを決めていく。

——中東・アフリカ市場の成長のポテンシャルをどう見ているか。

Kim氏 この市場は一様ではない。GCC(湾岸協力会議)諸国は世界で最も豊か,対照的に中央アフリカはまだ何もないに等しい。しかし,共通しているのは,大半の国が天然資源を持っていること。特にアフリカ市場は成長のポテンシャルが非常に大きい。今は電気さえも通っていないかも知れないが,いったん生活インフラができれば,まずは携帯電話機,次に家電の需要が膨らむ。今は何もなくても,可能性があるのならそこに行かない理由はない。当社では,2000万米ドル以上を売り上げることができるかどうかを,新規参入の基準としている。

この記事を英語で読む

【技術者塾】
実践で学ぶ!システム設計力強化トレーニング(9/2・3開催)

~複雑化する製品の設計情報を見える化し、品質向上と開発効率化を実現~


システム・サブシステムにおいて、要求⇒機能⇒実現手段の順に段階的に設計案を具体化しながら、各段階において異分野の技術が相互に与える影響や背反事項のすり合わせを行うことが重要です。また、元々日本企業が得意なすり合わせをより効率的・効果的に行うために、設計情報を見える化し共通言語とすることが必要です。これらにより、システム目標の未達や見落としを防ぎ、品質向上と開発効率化の実現を目指します。詳細は、こちら
日時:2015年9月2日(水)・3日(木)
いずれも10:00~18:00
会場:京王品川ビル セミナールーム(東京・品川)
主催:日経テクノロジーオンライン
コメントする
コメントに関する諸注意(必ずお読みください)
※コメントの掲載は編集部がマニュアルで行っておりますので、即時には反映されません。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング