十分とはいえないが,超小型プロジェクターの映像は楽しんだ(分解その0)。プロジェクターに詳しい技術者に協力を仰ぎながら,さっそく本来の目的である分解に取り掛かる。今回の対象は,米3M社製の「MPro110」と,台湾Optoma Corp.製の「Optoma pocket projector PK101」の2機種である。
まずはPK101の分解から取り掛かる。解決の糸口を探るため,Liイオン2次電池を筐体から電池を外す(図1)。
続けて筐体に止めてあるネジを外し,開く(図2)。筐体が表側と裏側部分の二つに分かれ,内部の様子が目に飛び込んでくる。見た目の構造はシンプルだ。表示素子であるDMDやLED光源,光学部品などを納めた光学モジュールと,DMDの駆動用LSIや各種電子部品を実装したメイン基板で構成されている(図3,4)。
基板上では,二つの大型LSIが目立つ。片方は台湾Weltrend社の映像処理LSI。14mm角のパッケージに封止してある。もう一方は,TI社のDMD駆動LSIである。米Texas Instruments Inc.(TI社)は,超小型プロジェクター向けに,この駆動LSIとDMDを共にして,「DLP Picoチップセット」として展開している(Tech-On!関連記事)。DMDは0.17型で,画素数は480×320画素。従来のDMDに比べて画素数を減らして小型化を図っている。一方,駆動用LSIのパッケージは14mm角と,超小型品用としては大きい印象だ。
DMDは小型基板に実装しており,この小型基板とメイン基板とをコネクタで立体的に接続している(図5)。DMDを表示素子に使うプロジェクターの場合,こうしたメイン基板とDMDとの接続にはフレキシブル基板を利用する場合が多いという。今回は,コネクタだけで接続することで,組み立てやすさを重視したとみられる。
続いて光学モジュールの分解に取り掛かる。
――次回に続く――
日経エレクトロニクスは2008年12月29日号に,超小型プロジェクターの分解記事を掲載する予定です。