ジャカルタのショッピング・モールは,中央が吹き抜けになっていてエスカレータが設置されている形が基本らしい。
ジャカルタのショッピング・モールは,中央が吹き抜けになっていてエスカレータが設置されている形が基本らしい。
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平日の夜遅くだったためか,人影はまばら。
平日の夜遅くだったためか,人影はまばら。
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とある携帯電話機店。基本的に値段は書かれておらず,要交渉。
とある携帯電話機店。基本的に値段は書かれておらず,要交渉。
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手前のラックにかかっているのは外装保護ケース。
手前のラックにかかっているのは外装保護ケース。
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「HP SECOND」と書かれているのが中古品。新品とは別のショーケースに入れられている場合がほとんど。「USED」と言ってもなかなか通じなかった。
「HP SECOND」と書かれているのが中古品。新品とは別のショーケースに入れられている場合がほとんど。「USED」と言ってもなかなか通じなかった。
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 携帯電話機店が集中していると聞いたショッピング・モールに行ってみた。完全な地元向け(=非観光客向け)庶民派ショッピング・モール「ITC PERMATA HIJAU」である。派手さはないが,意外に広い。1階はケーキやらパンやら小物,時計など種々雑多な店が並んでおり,迷ってしまいそうだ。地下1階がハイパー・マーケットのCarrefour(カルフール),2階は家具類,3階は衣料品,4階が携帯電話機,5階がフード・コートなど,という構成になっている。早々に携帯電話機フロアに行く。

 4階には,ほとんど客はいない。行ったのが,金曜日の18時過ぎだったためだろうか。こうした客足の悪さを見越しているのか,半分近くの店はシャッターを下ろしていて,残念ながらあまり賑わっているとは言い難い。

 各店では,携帯電話機のほかに,インドネシアで一般的なプリペイド式SIMカードも販売している。さらに目立つのが,携帯電話機の外装保護グッズと外装そのものだ。外装保護グッズは,各機種の専用樹脂ケースもあれば,合成皮革や布製のケースなどもあり,いずれも品揃えはかなり充実している。液晶保護シールは,日本語で説明などが書かれている日本向け製品が,そのまま店頭に並んでいた。機種ごとの外装そのものも,ショーケース一杯分ほど用意している店が多い。キャラクターなどの図柄をペイントした外装ケースも売っていた。高額製品である携帯電話機が大事なのは分かるが,外装保護グッズなどを買ったら余計に高くなってしまうではないか。なぜ,インドネシアの人々はこれほどまでに携帯電話機を大切に扱うのだろうか。

 その答えの一つが,中古市場だ。インドネシアでは,携帯電話機の中古市場が成立している。実際,このショッピング・モールに入っている携帯電話機店の大多数で,新品だけでなく中古品も販売していた。

 最低賃金はジャカルタでも,1カ月あたり100万ルピア(1ルピア=0.008円換算で8000円)に達していない。一方,携帯電話機は安いものならば35万ルピア(同2800円)程度で購入できる。しかし,後で中古品として売れるので資産と捉え,月給の1~1.5倍ほどの比較的高い携帯電話機を購入する人が多いらしい。Sony Ericsson社の「W200i」の値段を尋ねたところ,新品で110万ルピア(1ルピア=0.008円換算で8800円),中古で105万ルピア(同8400円)と言われた。Carrefourでは新品が99万9000ルピア(同7992円)だったので,値段交渉の余地は十分ありそうだが,それでも中古品は比較的いい値段で取引できるのかもしれない。

 ショッピング・モール内をよく見てみると,マイクやスイッチ(ボタン)などの部品を扱う店もある。恐らく,店番していたお兄さんが奥の作業ブースで直してくれるのだろう。デジタル家電でも,「壊れたら修理して使う」という習慣に,驚きを感じた。