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【ポストBRICs報告:ベトナムその2】ネットカフェで小学生の冷たい視線を浴びてみる

宇野 麻由子=日経エレクトロニクス
2008/12/22 11:10
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おばちゃんが受付のネットカフェ。たくさん張ってあるお札がITと民俗文化の融合を感じさせる。
おばちゃんが受付のネットカフェ。たくさん張ってあるお札がITと民俗文化の融合を感じさせる。
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電気街ニャッタオ周辺のネットカフェ。
電気街ニャッタオ周辺のネットカフェ。
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タクシーで走っている最中に見つけたネットカフェらしき店(中央の店)。扉があるということは冷房完備ということか。高速通信と17型LCDモニターを強調しているようだ。
タクシーで走っている最中に見つけたネットカフェらしき店(中央の店)。扉があるということは冷房完備ということか。高速通信と17型LCDモニターを強調しているようだ。
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実際に利用したネットカフェ。
実際に利用したネットカフェ。
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 ベトナムのネットカフェ店舗数は韓国の2万店を越える約2万5000店,そのうち60%はホーチミン市に集中(日本オンラインゲーム協会 事務局長 川口洋司氏)…そんな話を聞きつけ,今回の出張中に一度行ってみたいと考えていた。が,宿泊先の周辺にあるのは観光客相手の店ばかり。どこか地元向けの店はないものか…と思っていたところ,いきなりチャンスが到来する。

 その日,予定した取材が終わった後,取材先から聞いた話題のハイパーマーケットを見に行こうとタクシーに乗り込んだ。残念ながら翌週開店予定とのことで店の賑わいは分からないが,とりあえず外観写真だけでも撮って来ようという魂胆である。ところが,筆者は正確な住所を把握しておらず,開店前の店だからなのか高級店だからなのかタクシー運転手も店を知らず,違う場所へ連れて行かれてしまったのだ。普通,運転手が目的地を理解できなければ「分からないから行けない」と言ってくれるのだが,この運転手は行き先が分からないままに私を乗せて適当な場所へ連れて行き,元の出発地までタダで戻ってくれと言い争ったのに,料金だけ徴収してさっさとそのまま走り去ってしまったのである(ちなみにこの時の料金は日本円に換算すると500円強。相手も大体,日本人の金銭感覚を理解しているらしく絶対にまけない。ご丁寧に言い争ってしまった自分がバカだろう)。

 目的地は××区だとは言っておいたので,ある程度近付いている可能性はある。そこで,ネットカフェで検索して住所を調べてみようと考えた。で,ネットカフェは…と思って大通りからちょっとわき道にそれると,見事ヒット!タクシーを降りた場所から徒歩5分もかからない距離にネットカフェを見つけた。さすが,1万5000店のネットカフェを抱えるホーチミン市である。

 さっそく店内に入ると,20席弱のブースがあり,5~6人が無言のままパソコンに向かっている。もちろん,モニターはCRTだ。音声はヘッドホンで聞いているらしい。壁には飲み物のポスターが張ってあるが,飲食している人はいない。

 入り口にいる受付のお姉さんは「17」と書かれたブースに入れと,いわばあごで指示。違うブースに入ろうとするとダメダメという素振りを見せる。てっきりプリペイドカード式だと思っていたので課金がどうなるのか分からない。開始するために何が必要なのかも分からない。仕方がないのでそんな感じの身振り手振りで,受付のお姉さんに説明。するとお姉さんは「あんた,幾つよ」といわんばかりのすさまじい形相で筆者をじろりとにらみつけ,モニターの起動ボタンを押してくれた。

 筆者の右に座っていた神経質そうな少年は,小学生中学年~高学年といったところで,三次元RPGか陣取りゲームのようなものを一心不乱にやっていた。店内にエアコンはなく,季節的にそれほど暑くないとは言っても座っているとなんとなくじっとりと汗がにじんでくる。この暑さの中これだけ何かに集中できるなら,隣の少年は将来も向かうところ敵なしだろう,と妙なところで感心してしまう。

 左の空いていた席にやってきた少年はさらに若く,小学1年生くらいにしか見えない。彼からは「この人,何?」と思われているような気がしないでもないが,なにぶん会話ができないのでどうしようもない。左側の少年が始めたのは東南アジアのオンラインゲーム界で一大ヒット作と言われている「Audition」のようだ。Auditionというタイトル名称から,いわゆるプリメ(プリンセスメーカー)世代としてはつい「こんな若いうちからアイドルを育てなくても…」と変な想像をしてしまう(実際には,Auditionはダンスゲームで,育成シミュレーションゲームのプリンセスメーカーとはジャンルが異なり,こんな心配は無用である)。

 そんないらない想像を交えつつ,目的地の住所を探すこと約1時間,結局見つからないままだった。気付けば辺りはとっぷりと日が暮れ,ネットカフェはほぼ満席である。年齢層は若干上にシフトしている気配があるが,それでも小学生高学年~中学生といったところ。少女も数人いる。筆者の使っていたパソコンでは「NET CAFE 6.2.5」なるソフトウエアが起動し続けており,00:53:xxといった数字と,4000という数字がウインドウ内に表示されている。モニター電源を切って席を立ち,受付のお姉さんに値段を聞くと5000ドン(1ドン=0.005円換算で25円)ということだったので現金で支払って店を出た。

 以前のベトナムでは,ネットカフェといえば,メールのやり取りが必要なビジネスマンがこもって仕事をする場所だったらしい。2003年ころにオンライン・ゲーム・サービスが始まってから急速にゲームセンター化が進んでいるということだったが,確かにそのように感じた。一方,ビジネスマンの社外の仕事場は,一般の飲食店に移っているようだ。ホーチミン市内では,フリーWi-Fiアクセスのステッカーを張った飲食店をよく見かける。会社などの通信環境が悪い場合,こうした飲食店に無線LANモジュールを搭載したノート・パソコンを持ち込み,仕事をするビジネスマンも多いという。

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