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適合性試験は2009年2月に開始,Khronos Groupが「OpenCL」について国内で説明

2008/12/17 18:13
竹居 智久=日経エレクトロニクス
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図1 Khronos Group, PresidentのNeil Trevett氏
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図2 OpenCL策定のスケジュール
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図3 組み込みシステム向けのプロファイルも用意する
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図4 OpenVG 1.1対応の2次元グラフィックス描画処理回路を搭載することでFlash Lite 3の実行速度が5倍前後になるという見通しをNECシステムテクノロジーが示した
図4 OpenVG 1.1対応の2次元グラフィックス描画処理回路を搭載することでFlash Lite 3の実行速度が5倍前後になるという見通しをNECシステムテクノロジーが示した
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 標準化団体のKhronos Groupは2008年12月17日に都内で記者説明会を開催し,約1週間前に仕様を公表した「OpenCL(open computing language)1.0」および「OpenVG(open vector graphics)1.1」などについて解説した(Tech-On!の関連記事1)。今回の発表内容は,Khronos Groupが「SIGGRAPH Asia」に合わせて2008年12月10日に開催したカンファレンス「Khronos DevU」で解説した内容(Khronos DevUでの講演資料のページ)に沿ったものである。Khronos Group, PresidentのNeil Trevett氏が来日し,OpenCLの狙いなどを語った(図1)。

6カ月間で仕様策定にこぎ着ける

 OpenCLについてTrevett氏は「ヘテロジニアス・コンピューティングのための初めてのオープンなAPIだ」と説明し,機器や半導体,ミドルウエア,開発ツールなどを提供するメーカーや,ソフトウエア開発者のいずれにもメリットがあるものだとした。OpenCLは,ヘテロジニアス構成のマルチプロセサ環境において,ハードウエアの違いを抽象化するAPIである。OpenCLの規約に沿ってプログラムを記述しておけば,プロセサの種類やメーカーを変更した場合でもプログラムは変更せずに済む。

 ヘテロジニアス・コンピューティングに向けた標準APIが必要であることを重視したKhronos GroupはOpenCLの仕様策定を優先的に進め,2008年6月に米Apple Inc.の提案を受けてから6カ月間という短い期間で仕様の公開にこぎ着けた(図2)。仕様の策定には30社以上が関わったという。Khronos GroupはOpenCLの適合性試験を2009年2月に開始する予定であり,その後,半導体メーカーらがOpenCL対応の製品を出荷していく。

 Trevett氏は,(1)Khronosの他のAPIと同様に仕様を誰でも無償で閲覧できること,(2)グラフィックス描画の標準APIである「OpenGL」と密接に連携すること,(3)組み込みシステム向けのプロファイルを用意すること,などを強調した。適合性試験で製品の認証を受けるためには約1万米ドルが必要になるが,OpenCLを使ったアプリケーション・ソフトウエアの開発などには費用は発生しない。OpenGLとの連携では,グラフィックス描画処理と汎用の計算処理を同じアクセラレーション用プロセサ(GPUなど)で行うときに,データをホスト(CPU)のメモリに書き戻さずに済むようにしている。組み込みシステム向けプロファイルは,一部のデータ型やデータ精度などへの対応を不要にしたものである。基本要素は変わらないため,「『OpenCL ES(embedded system)』という別のAPIは用意しない」(Trevett氏)。まずはパソコンでOpenCLの採用が始まり,それほど時期を置かずに組み込みシステムへの適用も始まるという見通しを示した(図3)。

OpenVGはFlashに対応

 Khronos Groupは2008年12月10日に,2次元グラフィックス向けAPIであるOpenVGの新版(1.1)も公表していた。OpenVG 1.1は,米Adobe Systems Inc.のコンテンツ再生環境「Flash 7」および「Flash Lite 3」に対応したことを特徴とする。「SVG(scalable vector graphics)への対応を目指した1.0では,Flashが備える機能に対応し切れなかった。今回,複合ブレンディングなどのAPIを追加したことによってFlashに対応できた」(Trevett氏)。2次元グラフィックス処理用IPコア「IWAYAG」のOpenVG 1.1対応を発表したNECシステムテクノロジーによれば(発表資料),CPUコア(192MHz動作のARM926)上のソフトウエアだけでFlashコンテンツを再生する場合に比べ,IWAYAGにグラフィックス描画処理をオフロードすると4〜7倍程度の性能向上になるという(図4)。Khronos GroupはOpenVG 1.1において,文字の描画をハードウエアで行うためのAPI「Glyph API」も新たに追加している。

※ 「日経エレクトロニクス」は2008年12月15日号に,OpenCLの仕様や,ヘテロジニアス・コンピューティングにOpenCLが与えるインパクト,関連する動きを解説した記事を掲載しています。

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