スウェーデンのEricssonは現地時間2008年12月11日,米Intelとノート・パソコンの盗難対策技術で提携すると発表した。Ericssonのモバイル・ブロードバンド・モジュールとIntelのノート・パソコン盗難対策技術「Anti-Theft PC Protection」との相互運用性の確保に共同で取り組む。モバイル・ブロードバンド・ユーザー向けにノートパソコンの紛失または盗難時に被害を最小限に抑えるソリューションの提供を狙う。

 両社の提携により,Ericssonの盗難管理サービスにおいて,ノート・パソコンに内蔵したモバイル・ブロードバンド・モジュールに送信されたSMS(ショート・メッセージ・サービス)メッセージをIntelプロセサのAnti-Theft機能に転送できるようになる。メッセージを受信したプロセサは,コンピュータを完全にロックすることができる。ノート・パソコンが無事に戻ってきた時には,ロックを解除するメッセージを送信すれば再びデータにアクセス可能となる。

 Ericssonのモバイル・ブロードバンド・モジュールはHSPA通信機能を持ち,ノート・パソコン向けに最適化されている。一方,IntelのAnti-Theft PC Protection技術はノート・パソコンの盗難または紛失などによるデータ漏えいを防ぐためにコンピュータをロックするほか,盗難の状況を検知した場合にはITポリシーに従って対応する機能を持つ。この機能は,ログイン失敗の繰り返しや,スケジュールされた中央サーバーへの定期的な接続が時間通りに行われなかった場合にも対応できる。

 Ericssonの盗難管理サービスでは,モバイル・ブロードバンド・モジュールのGPS機能を使い,事前に決められたエリア外に持ち出された場合にコンピュータをロックすることも可能だ。Ericssonは両社のソリューションを組み込んだ盗難管理サービスを,2009年下半期に開始する予定である。

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