「ソニーが正社員8000人削減」「ホンダがF1から撤退」…。気が沈むニュースが多い中,これらを押しのけてランキング一位に躍り出たのは米Google Inc.のソフトウエア「Android」を搭載する携帯電話機の使い勝手を調べた記事でした。国内市場の出荷台数が過去最低になるなど不振を極める携帯電話機業界に,大きな刺激を与える存在と期待する読者が多いのかもしれません。米Apple Inc.の「iPhone」と同様なタッチ・パネル付き端末であることから,ユーザー・インタフェース(UI)に対する関心も高かったとみられます。

 今回は,米国でユーザー・インタフェースのデザインを手掛けるEffectiveUI社に評価を依頼しました。結果はといえば,「ものすごく使いやすい」とか「触ってるだけで楽しい」とまではいえなかったようです。記事を読む限り,評価者はiPhoneの方に軍配を上げた雰囲気です。両者の違いとして私の印象に残ったのは,iPhoneは些細なところまで気を配っているのに対しAndroidケータイは必ずしもそうではなかったという,記事の最後にあるくだり。Webブラウザーのスクロール動作の実装で,iPhoneでは動きにちょっとした制約を加えているのに対し,Androidケータイにはそれがないことが,大きな違いを生んでいるというのです。これで思い出したのが,UIを手掛ける日本のデザイン会社に初代のiPhoneを評価してもらった記事。タッチパネルを使った操作をユーザーが自然に感じるように,Apple社が非常に気を配っていることを指摘していました。開発期間の短縮や製品価格の暴落に追いまくられる機器メーカーにとって,ついつい見逃しがちな点ではないでしょうか。

 実はTech-On!にとっても,人ごとではありません。我々はTech-On!のUIを必ずしも使いやすいとは考えておらず,改善策を鋭意検討しています。大がかりな改良は,以前の記事に書いた来年春のサイト刷新を待つとして,細かな改良は適宜進めていく予定です。実はこの記事でも,ちょっとした工夫を試しているのですが,お気づきでしょうか?私はこちらのスタイルの方が好きなのですが,読者の方はいかがでしょう。ちなみに編集部では不評でした。確かに本文の中に張ってある方は,ちょっと色を変えないと気づかないか…。本当にやりたいことは,行く前と行った後の色の関係なんですが。


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