中国で販売されているノンブランドの携帯電話機の中で,米Apple社の「iPhone」に似せたものは数多い。そのうちの一台である「ciphone」を入手して分解した。本物の「iPhone」や「iPhone 3G」と比べ,見た目は似ているものの機能面では劣り,部品も安価なものが多かった。(本記事は,『日経エレクトロニクス』,2008年12月1日号,p.42から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

 中国で流通している「iPhone 3G」の模造品の1つである「ciphone」を入手し,分解してみた。MediaTek社のGSM対応のチップセットが使われていた。「中国製の模倣品でよく用いられる製品の中でも低グレードの品種。価格はおそらく6米ドル以下」(ある部品メーカーの技術者)という。コスト低減のためか,液晶パネルやLiイオン2次電池など,基板に直接はんだ付けされている部品が多い。前述の技術者は,「1台当たりの製造原価は3000 ~5000円程度」と推測する。

図A-1 MediaTek社製のチップセットを使用  「ciphone」の部品配置(a)。筐体内部に,microSDカードのスロットや,中国製とみられるLiイオン2次電池を備える。microSDカード用スロットは,Lexar Media 社製の2Gバイトのカードが挿入されていた。一般的な日本国内の携帯電話機とは異なり,これらの部品は外部から取り出すことはできない。メイン基板は,片側にRF回路やベースバンド処理回路など,主要部品のほとんどが実装されている(b)。携帯電話機向けのチップセットはMediaTek社製を使用する。部品のメーカー名と用途は本誌の推定。
図A-1 MediaTek社製のチップセットを使用  「ciphone」の部品配置(a)。筐体内部に,microSDカードのスロットや,中国製とみられるLiイオン2次電池を備える。microSDカード用スロットは,Lexar Media 社製の2Gバイトのカードが挿入されていた。一般的な日本国内の携帯電話機とは異なり,これらの部品は外部から取り出すことはできない。メイン基板は,片側にRF回路やベースバンド処理回路など,主要部品のほとんどが実装されている(b)。携帯電話機向けのチップセットはMediaTek社製を使用する。部品のメーカー名と用途は本誌の推定。 (画像のクリックで拡大)

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