店舗前の駐車場ビル
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自宅や電気製品専用の入り口
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電気製品コーナーの前に置かれていた「ATVIO」ブランドのCRTテレビ。「6 12 18」と書いてある看板は,製品を分割払いで購入した場合,支払いが可能な月を意味する。つまり,6カ月,12カ月,18カ月の選択肢がある。
電気製品コーナーの前に置かれていた「ATVIO」ブランドのCRTテレビ。「6 12 18」と書いてある看板は,製品を分割払いで購入した場合,支払いが可能な月を意味する。つまり,6カ月,12カ月,18カ月の選択肢がある。
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ATVIOブランドの液晶テレビ
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子供向けカラオケ機が入っている箱
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 私は今,メキシコシティにいる。約1億の人口を抱え,今後大きな経済成長が期待されるメキシコの首都である。メキシコシティは標高2240mの高原地帯に位置する大都会である。東京よりも多い,1900万人の人口を擁する。

 最初の訪問場所は米Wal-Mart社のメキシコ法人,Wal-Mart de Mexico社である。同社はメキシコの民間企業で最も多くの従業員を擁すると言われている。今回はメキシコシティにある同社の一店舗を訪ねた。ここにはWal-Mart以外に,同社系の「Suburbia」と呼ぶ百貨店や,低価格を標榜する「Sam’s Club」も併設している。

 メキシコでもクリスマス商戦は,一年間で最大の商戦期にあたる。店舗に隣接する駐車場では,店舗に近い駐車位置を確保するため,自動車が長い行列を作っている。この光景は米国で見慣れているが,ひとつ違うのがクラクションの音。メキシコでは皆お構いなしにクラクションを鳴らす。メキシコ軍の基地がすぐ近くにあるので,軍服姿のお客の姿も多くみかける。

 今回視察したのは「Hogar(ホーム)Electronica」。電気製品を取り扱うコーナーである。防弾チョッキを着ている警察官の横を通り抜けると,そのすぐ左に電気製品コーナーが見えた。そこで最も目立っていたのが, Wal-Mart de Mexico社が2008年11月に発表したばかりのプライベート・ブランド「ATVIO」製品の箱の山である。ATVIOブランド製品なら,Wal-Mart de Mexico社は他社の製品より最大12%価格が安いことを保証する。さらに1年間の製品保証を付けると,メキシコの消費者にアピールする。プライベート・ブランドに勢いがある点は,昨今の日本の事情と似ている。

 ATVIOブランドの目玉商品は,テレビ,ホーム・シアター向けの音声システム,子供向けのカラオケ機器など。ATVIOブランドのDVD再生専用機なら,価格はたったの360ペソ(約2480円)。ソニーのDVD再生専用機の価格は890ペソ(約6120円-HDMIケーブル付き)なので,2倍以上の開きがある。「ATVIOのDVD再生機はもう売り切れたよ」(同社の広報担当)。

 目玉商品の山には,4台のテレビが置かれていた。28型のCRTテレビ(価格は3190ペソ―約2万1980円),21型CRT(価格は1980ペソ―約1万3640円),そして32型液晶テレビ(価格は7700ペソ―約5万3050円)や15型液晶テレビ(価格は3230ペソ―約2万2250円)である。懐かしい5.5型の携帯型CRTテレビ製品(価格は260ペソ―約1790円)も見かけた。Wal-Mart de Mexico社は自社で金融サービス事業部も持っているので,同社のクレジット・カードで買い物ができるという。

 もちろん,ソニーや韓国LG Electronics社,韓国Samsung Electronics社,シャープ,パナソニック,米Apple社など大手ブランドの製品も展示している。Wal-Mart de Mexico社の社員かどうか不明だったが,「Sony」と背中に書かれたジャンパーを着た販売員も電気製品コーナーに張り付いていた。

 メキシコではスピーカーを大音量に鳴らして聴く人が多いという。お客の一人は,音声機器を試すために,販売員の隣に立って音声をかなり高いレベルに上がっていた。「メキシコではこんな元気がいっぱいの雰囲気が好まれる」と広報担当者は話した。