日本電気(NEC)の,電池を内蔵して自発的に電波を発信する方式の無線タグ(アクティブ・タグ)の説明図(同社資料より)
日本電気(NEC)の,電池を内蔵して自発的に電波を発信する方式の無線タグ(アクティブ・タグ)の説明図(同社資料より)
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日本電気(NEC)の,UHF帯を利用するRFIDシステムに向けた,複数の読み取り・書き込み機の間での電波干渉を回避したり,誤った読み取りを防いだりする機器「スマートフロントコントローラ」の説明図(同社資料より)
日本電気(NEC)の,UHF帯を利用するRFIDシステムに向けた,複数の読み取り・書き込み機の間での電波干渉を回避したり,誤った読み取りを防いだりする機器「スマートフロントコントローラ」の説明図(同社資料より)
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 日本電気(NEC)は,無線タグ(RFID)分野で二つの製品を発売した(発表資料)。一つは,電池を内蔵して自発的に電波を発信する方式の無線タグ(アクティブ・タグ)である。2.45GHz帯の無線周波数を利用し,通信距離が約50mと長い。もう一つは,UHF帯を利用するRFIDシステムに向けて,複数の読み取り・書き込み機の間での電波干渉を回避したり,誤った読み取りを防いだりする機器「スマートフロントコントローラ」である。

 今回発売したアクティブ・タグは,外形寸法が約80mm×60mm×15mm,重さが約60gで電池を内蔵する「子機」と,外形寸法が約80mm×60mm×15mm,約15gの「親機」から成る。親機はパソコンのUSBポートに取り付けるドングル型。IEEE 802.15.4規格に準拠する。子機は電池や無線IC,制御用のプロセサなどのほか,LEDを搭載した。オプションで温度・湿度センサや照度センサ,加速度センサ,ブザーを搭載できる。子機に搭載したセンサが検知した情報を親機に定期的に送信したり,子機が異常を検出した場合にLEDやブザーにより通知したりできる。店舗での空調や照明,消費電力量などの管理用途や,防犯/セキュリティ用途,物流現場での保管状態の監視と保管場所の検知用途などに向ける。2009年1月に出荷開始予定。オプションをすべて搭載した場合のサンプル価格は1万5千円から。

 スマートフロントコントローラは,サーバー機と読み取り/書き込み機の間に組み込んで利用する。複数の読み取り/書き込み機がある場合に,電波干渉を回避するよう制御する。読み取りゲートの周囲にある,読み取り対象外の無線タグを識別するフィルタリング機能も搭載した。これらの機能により,無線タグをつけた物品が密集している場所でも利用でき,読み取りゲートなどの配置の自由度を高められるとする。最大15個の読み取り/書き込み機を接続できる。外形寸法は300mm×230mm×45mmで,重さは2.5kg。2009年2月の出荷開始を予定する。今回の機器を組み込んだシステムとして販売する。単体での価格は約180万円からの予定。

 NECは今回発売した2製品を,同社が東京流通センター内に開設している「NEC RFIDイノベーションセンター」で展示し,顧客による実証実験を可能にした。