図◎出会い頭の衝突を防止
図◎出会い頭の衝突を防止
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 通信技術を介して道路に設置されているインフラ機器からの道路情報を自動車に送る「路車間通信」を使った安全性向上技術の開発が進んでいる。この技術を使うと、道路情報を基にしてプリクラッシュ・セーフティー・システムを作動することが可能となる(図)。

 例えば、見通しの悪い交差点などにおける出会い頭の事故を防止することが可能になる。交差点の複数方向に向けてカメラを取り付け、異なる2方向から同時に自動車が交差点に入ってきた場合など、出会い頭の事故を起こしやすい状況が生じた際、インフラ機器から両方の自動車に注意喚起のための情報を送信する。通信を介して情報を受信した自動車側では、この情報を基にカーナビなどによって音声と画面表示を使って運転手の注意を喚起する。さらに、このシステムをブレーキ・システムに連動させ、出会い頭の事故を起こしやすい状況が生じた際には、交差点手前で自動的に減速する技術も検討されている。
 
 このような路車間通信システムは、道路上のインフラ機器との連動が必須なため、政府主導の下、インフラを管轄する官公庁などが主体になって公道での実証実験を進めている。政府目標としては2008年度までに官民が連携して大規模な実証実験を実施でその効果を検証し、2010年度からシステムの全国展開を図る予定である。

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