ソニーは,エレクトロニクス事業の収益改善に向け,人員削減や生産拠点の整理を含めたコスト削減策を発表した(発表資料)。ソニーのエレクトロニクス事業は,2008年7月~9月決算で40%の減益となっていた(Tech-On!関連記事1)。

 ソニーは2008年6月に発表した中期経営計画に対し,2009年度のエレクトロニクス事業への投資額を3割削減する。削減金額は明らかにしていないが,ソニーは中期経営計画で2008~2010年度の全社の総投資額を1兆8000億円とし,そのうち9000億円をエレクトロニクス事業の一部であるコンポーネント・半導体事業に振り向けるとしていた。投資削減に向けてソニーは,CMOSセンサの増産計画の一部を外部委託でまかなうこと(Tech-On!関連記事2),スロバキアの液晶テレビ工場の増強延期(同3)を決定した。

 生産拠点の見直しも進める。磁気テープなどの記録メディアを生産しているフランスDax工場と,そのほか海外工場1拠点の生産を2008年度中に終了する。さらに,2009年度末までに,国内外57工場のうち1割を削減する予定である。

 人材の再配置や人員の削減にも着手する。工場再編や開発・設計体制の見直し,営業や間接部門の効率化などを目的に,職務転換/転職支援プログラムを実施する。2009年度末までにエレクトロニクス事業の全世界の従業員数を,2008年9月末時点の16万人から8000人削減する計画。これとは別に,派遣社員についても8000人を超える規模で削減するとした。

 一連の施策により,ソニーは2009年度末までに年間1000億円の費用削減効果を見込む。諸施策のコストに関しては2009年1月に発表する。

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