代表取締役社長の福井威夫氏
代表取締役社長の福井威夫氏
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 ホンダは2008年12月5日,2000年から続けてきたF1からの撤退を発表した。サブプライム問題に端を発する金融危機による経営環境の悪化が最大の理由であるという。「特に11月に入ってから市場が急激に変化した。ホンダとしては,100年間続いた自動車市場が新たなフェーズに入ったと認識している。その新しい市場に対応する製品の開発に,社内のリソースを振り分ける」(代表取締役社長の福井威夫氏)。

 英国に置いたHonda Racing F1 TeamおよびHonda Racing Development Ltd.の2法人については,売却を含めて従業員と協議に入る。F1活動に関わった国内のエンジニアは350~400人とし,第3期の活動では延べ1000人を超えるエンジニアが関わった。この資源をハイブリッド車の「インサイト」に代表される低燃費型の自動車や,「フィット」より小さくて燃費のよい自動車,欧州・インドなどで求められる小型のディーゼル・エンジンの開発などに振り向ける。具体的な運用経費や撤退に伴う費用などについては明らかにしなかった。

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