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 ロームは,1.6~4インチクラスの小型液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト向けに,小型のドライバICを開発した。携帯電話機や携帯型音楽プレーヤーなどの各種ポータブル機器での利用を想定したもので,小型で高密度実装が可能なWL-CSP(ウエハー・レベル・チップ・サイズ・パッケージ)を採用したのが特徴だ。製品のラインアップとしては,1.6~2.4インチクラスのLCD向けで2~3灯のバックライト用発光ダイオード(LED)に対応可能な「BD82103GWL」(外形寸法は1.5×1.8×0.55mm),2.0~2.8インチクラスのLCD向けで3~4灯のLEDに対応可能な「BD1204GWL」(同1.85×1.85×0.55mm),および2.6~4インチクラスのLCD 向けで5~6灯のLEDに対応可能な「BD1206GUL」(同2.0×2.0×0.55mm)の3 機種。同社によれば,いずれも同じ灯数を対象とする同種のドライバICとの比較では業界最小サイズという。

 BD1204GWLとBD1206GULは,いずれも2008年11月からサンプル出荷を開始し,量産開始は前者が2009年6月から(月産100万個体制),後者が同年5月から(同50万個体制)の予定。BD82103GWLは,既にサンプル出荷も量産(同100万個体制)も開始しているという。1個当たりのサンプル価格は,BD1204GWLが180円,BD1206GULが250円,BD82103GWLが120円。いずれも生産は,前工程がローム浜松,後工程をローム福岡としている。

 同社によれば,従来のQFNパッケージ品との比較では,2~3灯タイプのBD82103GWLが体積比で84%減,面積比で70%減,3~4灯タイプのBD1204GWLが体積比で79%減,面積比で62%減,5~6灯タイプのBD1206GULが体積比で86%減,面積比で75%減という。3機種とも外付けコイルが不要な,自動昇圧倍率(1,1.5,2倍の3段階)切り替えチャージポンプ式を採用。1本の制御線でドライバから流すLEDの電流を16段階(0.125~20mA)で調整できるUPIC(Uni-Port Interface Control)方式により,配線本数の低減も可能という。小型のパッケージの採用に加え,外付け部品や配線の数を減らせるため,セットの小型・薄型化に貢献する。

 さらに,BD1204GWL,BD1206GULの2機種では,外部からのPWM(パルス幅変調方式)信号によってバックライトの明るさを調整できる「PWM輝度制御」機能も搭載する。動画に連動したバックライトの輝度制御が可能となるため,簡単に低消費電力システムを構築できるという。