半導体関連の市場調査を手掛けるアイサプライ・ジャパンは,2008年の半導体メーカーの売上高ランキングを発表した。1位から5位までは前年から変動がなく,米Intel Corp.,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.,米Texas Instruments Inc.,東芝,伊仏合弁のSTMicroelectronics N.V.となっている。6位には前年8位だったルネサス テクノロジが入った。同社は前年比1.7%の減収ながら業界平均より落ち込み幅が小さかった。

2008年の半導体メーカー売上高ランキング(iSuppli社調べ,暫定速報値)
2008年の半導体メーカー売上高ランキング(iSuppli社調べ,暫定速報値) (画像のクリックで拡大)

 アイサプライは2008年のランキングに「メモリサプライヤにとって忘れられない2008年」と副題をつけている。大手メモリ・メーカー(2008年の売上高が1億米ドルを超えるとみられるメーカー)29社のうち,2008年に売り上げを伸ばすのはわずか2社の見込みという。韓国Hynix Semiconductor Inc.は29.1%の減収で,ランキングでは前年の6位から9位へ転落。ランキングでは上位につけたSamsung社や東芝も減収となっている。

 米iSuppli Corp.副社長のDale Ford氏は「2008年の半導体業界全体の売上高は前年比2.0%減になる見込み。メモリ市場が同16.9%減と大きく落ち込む」とした。DRAM市場は同19.8%減,NORフラッシュ・メモリは同16.2%減,NANDフラッシュ・メモリは同13.1%減とメモリ市場は全面的にマイナス成長の見込み。NANDフラッシュの市場規模が前年実績を割り込むのは2008年が初めてという。メモリ市場を除いた半導体市場の2008年の売上高は前年比2.0%増となる見込み。PLD市場(7.6%増)や光半導体市場(6.2%増),マイクロプロセサ市場(5.7%増)などが伸びている。

Qualcommがファブレス企業初のトップ10入り

一方,ファブレス半導体企業の米Qualcomm Inc.は前年比19.6%増と売り上げを伸ばした。ランキングでは前年の13位から8位に上昇し,ファブレス企業として初めて年間トップ10入りを果たした。同じくファブレスの米Broadcom Corp.も前年比26.4%の増収となり,ランキングも19位から14位へ上昇した。