写真1 レノボ・ジャパンが発表した低価格ミニ・ノートPC「IdeaPad S10e」。本体カラーはホワイトのほかに,ブルーとピンクがある
写真1 レノボ・ジャパンが発表した低価格ミニ・ノートPC「IdeaPad S10e」。本体カラーはホワイトのほかに,ブルーとピンクがある
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写真2 レノボ・ジャパン マーケティング&広報本部長 執行役員の原田洋次氏
写真2 レノボ・ジャパン マーケティング&広報本部長 執行役員の原田洋次氏
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写真3 レノボ・ジャパン 大和事業所 研究・開発 第二製品開発部長の城下哲朗氏
写真3 レノボ・ジャパン 大和事業所 研究・開発 第二製品開発部長の城下哲朗氏
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 レノボ・ジャパンは2008年12月3日,低価格ミニ・ノート・パソコン「IdeaPad S10e」(写真1)を発表した。希望小売価格は5万4800円で,12月6日から家電量販店などで発売される。

 法人向けのノート・パソコン「ThinkPad」シリーズを主力製品とする同社では,初となるコンシューマー向けのパソコン。マーケティング&広報本部長 執行役員の原田洋次氏(写真2)は「(この市場への参入は)後発ではあるが,現時点で可能な限りの機能を詰め込んだ自信作」と語った。

 IdeaPad S10eは,既に中国などで販売されている「IdeaPad S10」とハードウエア的には同じ製品。日本向けのS10eの主なスペックは,CPUは米Intel Corp.のAtom N270(動作周波数1.6GHz),メモリ容量は1Gバイト,ハード・ディスク容量は160GB。OSには,米Microsoft Corp.のWindows XP Home Editionを採用する。本体カラーは,ホワイト,ピンク,ブルーの三色から選べる。

 「可能な限りの機能を詰め込んだ」と言う通り,内蔵カメラ(130万画素)やExpressカード・スロット,4in1メディア・カード・リーダー,USB 2.0×2,VGAポートなど多種のインタフェースを備える。また,WiFi準拠の無線LAN,Bluetooth 2.1などの通信機能も標準で備える。タッチパッドには,米Apple Inc.の「iPhone」のように2本の指を開いたり閉じたりすることで,画像の拡大・縮小を操作できるマルチタッチ機能を搭載した。

 ただし,液晶パネルは10.1型で,解像度は1024×576ドット。10.2型(1024×600ドット)の液晶パネルを搭載する他社製品と比べると縦方向の解像度が少し短い。10.1型を採用した理由については「ポータブルDVDプレイヤなど向けに使われている液晶を採用した」(同社 大和事業所 研究・開発 第二製品開発部長の城下哲朗氏(写真3))と言う。

 標準で6セルのLiイオン2次電池を搭載し,バッテリー駆動時間は約5.3時間。重量は1.38kgで,1.1kg前後の製品が多いミニ・ノート・パソコンの中ではやや重い部類に入る。

 その他の独自機能として,電源オフの状態から数秒でWebブラウザーやメール機能が使える「Lenovoクイックスタート」と呼ぶ機能を採用。これはWindowsを起動せずに,ブラウザーや音楽再生,画像表示など五つの機能を選択できるメニューを表示するもの。「クイックスタートは,S10eで新たに採用した機能」(城下氏)とする。また,本体キーボードの上部に「Novoボタン」を配置した。これを押すと,Application Launcher画面が表示され,よく利用するアプリケーション(ユーザーが登録可能)を簡単に起動できる。

 原田氏は,記者から販売目標を聞かれた際,「目標販売台数は公表できないが,この市場(低価格ミニ・ノート・パソコン)の現在のトップ・メーカーと同程度のシェアを獲得できると信じている」と新製品にかける意気込みを示した。発表会の最後には「ボディ部の発熱改善などにも力を注いでおり,そうした細かい点も注目してほしい」(原田氏)と付け加えた。