JFEスチールはバーレーンFoulath社と合弁で,オマーンに鉄鉱石ペレットの製造・販売会社を設立する。今後,良質な鉄鉱石資源の減少が予想される中,JFEスチールはFoulath社と共同でプロジェクトを実施することで,競争力の高い原料の長期・安定的な確保を目指す。

 合弁会社は2011年に操業を開始し,年間700万tのペレットを生産する計画だ。半分の350万tをJFEスチールが引き取り,残る半分については中東・アジアを中心とする地域の直接還元鉄(DR)・高炉メーカー向けに販売する。

 新会社への総投資額は約7億米ドルの見込み。JFEスチールは,そのうち40%を出資する予定だ。Foulath社は,クウェートとカタールの計5社が出資する企業で,24年にわたってペレットを製造している。技術力を持つことに加えて,ペレット製造用鉄鉱石の長期契約(25年以上)を有することが,JFEスチールにとってのメリットになる。

 新会社の拠点となるサララ経済特区は,港湾が既に整備されており,燃料の確保が容易なことから,プロジェクトとして高い収益性を維持することが期待できるという。さらに,長期的な高い経済成長が期待される中東湾岸諸国・インドなどの南アジア諸国にも近接しており,同プロジェクトによりJFEスチールは,同地域におけるビジネス拡大も図れるとみる。